次に熊野古道は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)にお参りする道であり、平安中期から鎌倉期にかけて盛んに行なわれた法皇や上皇らの御幸ルートの「紀伊路」、江戸時代以降盛んに歩かれるようになった庶民の道「伊勢路」、1300年の時を超えて巡礼者の憧れの地、熊野詣の多くの人々が通った道を指します。熊野那智大社の参道道には、何百年を経た夫婦杉のある坂道に、昔の石畳の姿がそのまま残っており国指定歴史の道として保護されています。あの山道(坂道)に、どの様な人々が関わり、どの様にして石畳を積み上げ、どの程度の期間かかったのか、時の流れの中で考え・想いにふけるのも楽しいものであった。
観光に活かす取り組みとしては、地域の伝統・史跡、文化と歴史等の資産(財産)をどの様に活かして観光客(交流人口)の核大に繋げて行くのか?宿泊・滞在型のための観光地での食・飲み物の楽しみ方は?見せる・遊ぶ場所の交通アクセスは?もう一度訪ねて見たい街となるためには?政治動向や景気動向に左右されない観光のあり方はどうあるべきか?事件・事故等の風評被害に負けないための対応はどうすべきか?
外国からの観光客の受け入れのためにどうすべきか?等々、全国の自治体はほぼ同様の施策を行ないながら諸々の事業展開をしていると思われる。今後の観光産業の在り方としては、その地域の良さ・地域の特徴を他の自治体と比較してどのように発信していくべきか、改めての検証が必要であると感じた視察であった。他都市の状況を参考にしながら、観光の活性化に努めて行かなければならない。