平成19年12月議会 一般質問(要旨)

平成19年12月議会 一般質問(要旨)

1.人事行政について

(1)退職状況と採用計画

質 問

団塊世代の退職者を迎え、市民サービスの低下も懸念されるなか今後の退職状況と採用計画は?

回 答

定年退職は、今後5年間で140名から170名で推移し約780名が見込まれる。
勧奨退職・中途退職者を加えると、今後5年間の退職者の合計は約900名の見込みとなる。

採用計画は、平成18年度から22年度までに600名の職員削減を目標としており、職員の適正配置により、必要最小限の採用を行い、抑制を図る。(平成18年度実績62名採用、事務、看護師、消防、現業等)

(2)分限処分における休職の制度と状況

質 問

勤務実績が良くない場合や心身の故障により長期の休養を必要とする場合に、分限処分がなされている。平成17年度52名、18年度52名の職員が休職されていますが、その分限処分における休職の制度と状況は?

回 答

負傷又は疾病のため勤務できない時は、一般的に病気休暇で1日から90日の間取得している。
病気休暇の期間が90日を超える場合は、任命権者が休職を発令することになり、その期間は3年を超えない範囲としている。復職の場合は、所属長、人事課の立会いの上、産業医等との面談により復職の可否を判定しるが、その際、休職に至った経緯、現在の療養状況、担当する業務内容の状況等を考慮している。

これらの制度は国並びに地方公共団体においても、本市と同様の制度となっている。(年次休暇とは別の制度)

質 問

病気休暇の取得手続き、日数は何日以上か?

回 答

1日から10日までは所属長報告、10日以上からは90日まで診断書提出

質 問

平成18年度における病気休暇を申請した職員数と病気休暇の休業日数、休職52名の休業日数の実績は?

回 答

平成18年度職員の傷病休業日数は、病気休暇の申請者は345名、一人平均22日の取得で7,910.5日、休職は52名、一人平均96日の取得で4,967日の休業であります。
病気休暇と休職の休業日数をあわせると、総休業数は12,877.5日との事であります。

質 問

病気休暇と休職における給与や手当など賃金の取り扱いは?

回答

病気休暇は1日から10日間は上司の許可で、10日から90日までの間は診断書提出にて10割の有給(給与)が支払われる。

休職は90日を超え1年間までは診断書提出にて8割の有給(給与)が支払われ、1年を超え2年6ヶ月までは健康保険組合から傷病手当金が6割6分、それぞれ国・地方公共団体に準じ支払われている。

質 問

病気休暇と休職の総休業数は12,877.5日との事でありますが、行政としては大きな経済的損出、職場にとっては戦力の低下であります。そこで、平成18年度の傷病休業の目標数値は設定されているのか?目標に対する成果(評価)はどのように把握されているのか?

回 答

具体的には把握していない。また、目標数値も設定されていない。

要 望

民間企業では、安全・衛生・健康などの管理方針や災害防止対策や疾病等予防対策など数値目標を設定し、具体的取り組みを進めています。
目標数値がないなら設定を!把握されていないなら行政の責任者として、本気で取り組んでもらいたい。

民間企業では、「ストレス軽減対策検討会」を開催し、ストレス調査等の対策の推進、プロジェクとチームによる「精神健康不調休業減少対策」「思いやり活動」など傷病休業減少に向けた取り組みが進められ、一定の成果を得ている企業もあります。

民間の良いところを行政も取り入れ、先ほども話をしました、行政として大きな経済的損出と職員力低下防止を図るべき予防と対策の取り組みをお願いします。

指 摘

病気休暇及び休職の制度は、国並びに他の地方公共団体に準じ、健康保険料は、被保険者(職員)と事業主(長崎市の税金)の1対1の折半であり、その半分は長崎市の税金から負担されています。
このことは理解しますが、病気休暇の90日間及び休職の90日を超える1年間に、汗水流して働いた税金から給与が支払われるのは、民間の立場から見れば私には理解できないところです。税金を納めている市民の皆様も理解できるでしょうか?

健康保険制度に加入の民間企業では、病気や怪我で休職した場合は、健康保険組合から「傷病手当金」が支給されます。給付期間は休業4日目から1年6ヵ月となっています。自営業などの国民保険加入者は、「傷病手当金」もありません。民間の労働者・市民は、その間の金銭的な補償を、健康面含め自己責任の中で、それぞれ万が一の時に備え、健康保険や個人の任意保険に頼っているのが実情です。

税金の有効活用と健康管理体制の充実の視点から、病気休暇・休職の休業日数を減少させる取り組みが真に重要であり、行政の責務であります。職員の復職は、業務の平準化や「職員力の向上(貴重な戦力)」となり、住民へのサービスの充実にもつながると思います。

条例の改正は、困難をともないますが、法律・条令は議会で決めるものです。市民が理解できる制度の見直しに向けての問題提起をしておきます。

(3)部局毎の業務のアンバランス是正

質 問

年次休暇の取得状況、時間外勤務・休日勤務を見れば、特定職員に対する業務の負荷もあると思われるが、長崎市における部局毎の業務のアンバランス是正の対応は?

回 答

それぞれの年度や制度改正による業務量の増等でアンバランスが発生する。
平準化を図るべき、正規職員の増員や嘱託員の配置等により対応している。また、一時的対応として、他の所属の職員に期間限定で兼務辞令を発令刷る、リベロ措置も講じている。

さらに、その差が所属内にある場合は、各係や担当の業務の状況等把握し適宜必要に応じ対応し、特定の職員に過大な付加とならないよう人事管理に努めている。

2.行政改革について

(1)人員計画の進捗状況と成果

質 問

人員削減計画による平成18年度実績・19年度見込みの進捗状況と累積経済効果額を含めた成果は?

回 答

公の施設における指定管理者制度の導入、ごみ収集体制の効率化、保健センター検診業務の見直し、市長部局や上水道局等の組織の簡素化・人員体制の見直し等を行ない、18年度と19年度の2ヵ年で170人の削減計画に対し、18年度84人、19年度90人の実績で174人の削減となった。

人件費は、平成23年度までの削減目標である340億円に対し、平成18年度の普通会計決算額が343億円となっており、予定よりも早く目標を達成できる見込みである。

(2)平成20年度の重点実施項目

質 問

平成20年度の重点実施項目と人員削減計画は?

回 答

先ず、組織体制の見直しを行い、職員の適正配置による定員の適正化で組織のスリム化を図る。
次に、ごみ収集業務の南部地区の民間委託を来年4月実施で準備を進め、学校給食調理業務の民間委託、保健環境試験所検査業務の民間委託等事務の効率化に努める。平成20年度はこれらの取り組みを行い100人程度の職員の削減を見込んでおり、今後も養護老人ホームや保育所の民間移譲を行なう予定です。

3.急傾斜地崩壊対策事業について

(1)要望状況と陳情・同意書取得状況

質 問

平成11年度以降の県及び市施工の要望状況と近年の陳情・同意書取得状況は?

回 答

事業対象地の状況、事業規模に応じ国・県の補助を受けて市が施工するが、工事に伴う用地の無償提供という地元の協力が必要である。また、市の事業は、事業費の5%を地元負担していただくことが事業採択の条件となっている。
要望件数と陳情状況は11年度以降18年度までの実績で252件、そのうち、地権者や関係先の同意があるのが県事業県の事業29件のうち完了は9件、施工中のものが9件、未着手11件であり、市の事業17件のうち完了は10件、施工中のものが4件、未着手3件である。

(2)進捗状況と事業計画

質 問

県及び市施工の対策事業の進捗率と今後の事業計画は?

回 答

何らかの対策が必要と考えられる急傾斜地は、平成19年3月現在で1289箇所が確認されている。
そのうち、急傾斜地崩壊対策事業の対象と考えられる箇所は1030箇所あり、事業に着手している箇所は240箇所、率で約23%である。過去5年間の施工箇は、県の事業で28箇所、年間の平均的事業費は約6億7千万円、市の事業で15箇所、平均的事業費は約4800万円となっている。

質 問

私有地への急傾斜地崩壊対策事業の適用拡大等は?

回 答

対策工事には、多額の費用がかかり財源が限られるなか、事業の採択にあたっては公共性や投資効果という点からも一定の基準を設けて対応している。現在の採択基準に適合しながら、対策工事に着手できない箇所もあり、現時点の採択用件の拡大は厳しい。

(3)土砂災害防止法に伴う基礎調査の実施状況と警戒区域の指定

質 問

土砂災害防止法に基づく基礎調査の実施状況と警戒区域・特別警戒区域の指定の状況は?

回 答

県の委託を受けた専門業者が調査対象地区内で斜面地の形状や住宅との位置関係などの現地調査を行い、災害履歴等の関連資料も合わせて検討し、指定すべき区域の選定を行なう。

進捗状況は、旧長崎市の町数428のうち、平成19年11月までに94が終了している。全体の調査完了は平成22年度、区域指定の完了は平成25年度の予定である。

(4)土砂災害警戒区域等における警戒避難体制の整備状況

質 問

土砂災害防止法に伴う警戒区域等に指定された地域においては、住民の安全を守るため、警戒避難体制の整備を図ることとされているが行政の取り組みは?

回 答

本市における、警戒避難体制の整備の基本的考え方は、1.避難の方法や情報の伝達手段等について周知徹底を図る2.土砂災害のかかる認識と各種情報を住民と行政が共有すること3.自主防災組織の充実とその活用を図ること、の三点を原則とし地域住民の皆様と行政が連携して警戒避難体制づくりに取り組む。

具体的には、指定地域の住民の皆様を対象に地域ごとに説明会を開催し、ハザードマップ資料を配布し説明を行なった。

要 望

1.急傾斜地崩壊対策事業について

(1)土砂災害防止法による警戒区域の指定に伴い、住宅宅地分譲、社会福祉施設等のための開発行為に対する許可制、建築物の構造規制、移転等の勧告など行なわれると思いますが、事業を継続し安全を確保するのは必要不可欠であります。
国・県・市とも財政が厳しいなか、従来のままでは事業として限界もあると思われます。先ず生命・財産を守る観点から事業採択用件の緩和、弾力的運用など行政としての検討、関係機関や県選出国会議など急傾斜地崩壊対策事業の整備促進に関する予算増額と事業採択用件の緩和等、今後とも関係先に継続的働きかけを要望しておきます。

(2)ハード面の事業継続(行政の対応だけでは限界がある)と合わせ、今後は住民みずからの防災意識や危機管理が重要となってきます。長崎市地域防災計画が策定され、災害予防計画も示されていますが、自主防災組織地区別結成数(自治会数990)は354自治会で組織率35.8%となっています。
危険区域内への印刷物での周知・標識の設置、インターネットで災害マップなど公表され一定評価をいたします。しかしながら、パソコンを持たない中・高齢者、独居老人、市外からの転入者、自治会未加入者、要介護者などの地域住民は、自分の家が危険区域である事を知っているのか?危機意識はあるのか?避難場所の周知は徹底されているのか?懸念されるところです。

「日頃の備え」を万全にし、万一の時は「早めの非難」が出来るよう、啓蒙活動、防災知識の普及や自主防災組織の育成など継続的な努力を要請しておきます。

▼過去掲載分

▼委員会報告

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