平成23年9月議会 一般質問(要旨)

平成23年9月議会 一般質問(要旨)

1.地場産業の振興と雇用確保について

質 問

「第3回長崎サミット」における4分野(基幹製造業、観光、水産、教育(大学))で最重点推進10項目が確認されているが、長崎サミットとの連携による地場産業の振興は?

回 答

基幹産業である造船造機分野は、急激な円高により受注環境が厳しい中、品質やコストの対応が課題となっている。長崎市経済成長戦略の方向性、長崎サミットの提言はそれぞれ”外貨”を獲得し地域経済の成長を促すものであり、「第3回長崎サミット」で最重点推進10項目が発表された。

地場中小製造業に関しては、技術開発・連携の支援、新技術・新商品の積極的サポート、地場産業の経営力向上のための協業化、共同化等経営革新を成長の方向性としている。具体的には、トライアル発注、特産品開発補助、販路開拓支援事業を実施している。中小製造業振興は、「新ビジネスモデル構築支援事業」等新しい形での産学官連携の場である「長崎サミット」との協働により地場産業の振興に取り組む。

意 見

最重点推進10項目の一つである、客船連続建造に向けての環境整備の促進及び地場中小製造業の受注・供給体制の整備など客船連続建造のための資材倉庫・駐輪場・宿舎の整備など行政(長崎県・長崎市)として出来る「支援体制」、「がんばらんば国体」の2014年に誘致を目指す(仮称)SEA-NAGASAKI(客船、クルーズ、造船の見本市)に向けた事業など、産学官連携による経済活性化の取り組みを進めるうえでの「予算化の必要性」を求めました。

質 問

水産資源の減少、漁業生産者の高齢化や担い手不足などに直面しているが今後の水産業の振興策は?

回 答

長崎市は、第2次長崎市水産振興計画(平成23年度から27年度)に基づき「魚のまち長崎の強みをいかした水産業の振興」を基本理念とし、「安定した水産資源の管理・回復」のためウニ等の食害生物の除去や母藻(ぼそう)の設置、海域に適した魚種やサイズの種苗の放流などに取り組んでいる。

「やる気、収益性アップの経営体づくり」は、漁業者の高齢化や担い手不足の対策として新規就業者(11人)へ漁具、燃油代等最長1年間支援を行っている。収益性アップのため、定置網漁業等を協同で経営する勉強会の開催や意見交換会を開催する。「豊かな水産物をいかした魚のまち長崎のイメージアップ」は、学校給食への地元水産物の導入促進を図り広く市民や観光客にアピールし、食観光を含めた活性化に繋げる。

要 望

長崎市の基幹産業である水産業は、中国・韓国など外国漁船との競合に伴う資源の枯渇(こかつ)により撤退を余儀なくされる企業が相次ぎ、沿岸漁業においても慢性的な後継者不足、魚価の低迷、事業としての維持・存続が困難な状況に至っている。
後継者(担い手)対策として、早急に若年層の船員確保・育成のための支援が必要であり、これまで培ってきた高度な漁労技術の伝承が急務です。

同時に、若年層に目を向けさせる活動、漁業への関心を高める広報活動も大きな課題と考える。また、老朽化した遠洋・沖合い漁船の新造船建造支援および原油価格変動を適切に魚価に反映出来る制度の確立に取り組むなど長崎市として出来る支援、長崎県・長崎市と連携した取り組み、水産業維持のためにも県や国に対しての継続的な要請活動を要望しました。

質 問

企業誘致と雇用確保は?

回 答

平成20年度から3ヵ年における立地企業は、酒造メーカーの「霧氷酒造㈱」をはじめ、市内企業11件、市外企業3件の計95人の市民の雇用が創出された。また、平成23年に操業した「ANA(エイエヌエー)テレマート」では、市民87人を含む100人の雇用がなされ、今後平成29年度までに雇用者数を450人に拡大する計画となっている。

現在、急激な円高の影響を受け企業の設備投資環境は厳しいが東日本大震災を機にリスク分散を検討している企業もあり、積極的に企業訪問活動を展開している。

質 問

「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用しての雇用対策は?

回答

地域の雇用機会の創出を図る目的で、平成21年度から現在11事業で35人の雇用を創出し、全額国の予算をもとに県の基金を活用して実施されている。この事業は、事業者の自助努力により事業を継続することで雇用の継続が期待され、事業の進捗状況や課題など把握している。

長崎県は、事業の継続及び就労者の雇用継続に向け、経営等の問題に対して適切な診断・助言を図るためアドバイザー派遣制度や一人当たり30万円の一時金を支給する支援制度もある。

2.行財政改革プランについて

(1)適正な職員配置

質 問

今後の退職状況と採用計画、部局毎の業務のアンバランス是正

回 答

行財政改革プランでは平成23年正規職員数3,267人を計画期間中(平成28年4月1日時点)に3,000人体制を目標に、施策・事業の見直しや業務プロセスの改革などを進め、簡素で効率的な職員配置に努める。

今後の退職状況と採用計画は、期間中に約740人の退職を見込み、約470人の採用を計画している。業務のアンバランス是正は、定員の適正化を行なうなど各局内の事業の取捨選択や優先順位を決定し、全体の調整を図り業務に必要な職員数を配置する。

指 摘

行財政改革のプランは、誰がリードして、誰が責任を持ってやるのか?市民や民間の力を借りて、民間手法を取り入れて目標に向けて頑張るとよく言われますが、民間の経営は、中・長期的に経営指標を定め、その目標に向けて単年度毎の重点施策を推進して、採算向上(お金を儲けて)に努力して、その対価として給料をもらって生活している。

人口減少に伴う財源確保が懸念されるなかで、今後2,300の事業を再評価する中で類似事業の統合、事業見直しなど全職員の心構えとやる気がなければ目標達成は厳しい事を指摘しました。

(2)健全な財政基盤の確立

質 問

社会保障費が増加するなか経費抑制、自主財源確保による健全な財政基盤の確立は?

回 答

経費抑制のため、「市民サービスの向上」と「効率的な行政執行体制」を実現するため84項目の具体的取り組みを計画している。負担金・補助金の見直し、扶助費の適正化などに取り組み、合併特例事業債をはじめとした交付税措置のある有利な地方債を積極的に活用する。

自主財源確保は、市税収入について納付方法の多様化や効率的効果的な徴収体制を確立し、収納率の向上に努力する。また、市民の利便性向上を図るため平成24年度からコンビニ収納取扱対象税目等の拡大に向け準備を進め滞納整理の推進にも活用できると考えている。

(3)公共施設の有効活用

質 問

公共施設の有効活用にかかる庁内の検討状況、適正配置にかかる今後の取り組みは?

回 答

公共施設の状況は、高度経済成長期に多くの施設が建設されその半数程度が30年以上経過、公共施設は市民サービスの根幹をなすものであり、今後の更新は大きな行政課題である。

平成22年度に設置された「公共施設利活用特別委員会」において、中・長期的な展望に立ったマネジメント計画を早急に作成し、それに基づく公共施設の利活用を行う事、横断的な組織体制で検討を行い、有効活用を図る提言が行なわれている。全庁横断的な論議を行うため、関係課長で組織する「長崎市公共施設マネジメント会議」を設置し議論を進めている。

長崎市が保有する全ての建物と土地を資産ととらえ、その利活用の方策を見出すための指針となる「長崎市公共施設マネジメント計画」を平成23年度中に策定する。現在施設の現状の把握と調査分析を行うため公共施設白書を作成し、横断的な情報の共有化を図り情報の可視化を行う。次年度以降は、地区別・用途別に公共施設の配置バランスを分析、個々の評価を行い更新や再配置を含めた、具体的な行動計画を策定する。

3.国道202号の整備状況と(仮称)福田バイパスの早期事業化について

(1)国道202号線の整備状況

回答

国道202号の整備状況は、大浜町バス停と大迫バス停間の曲線部において計画案が作成され地元に説明を行う準備をしている。中浦バス停付近は、一部交差点の改良とあわせ歩道の拡幅整備が完了し、今後電柱移設が予定されている。小浦町と福田本町の町境の曲線部は、山側の用地の確定に問題があるため抜本的改良は困難であるが一部用地の協力を頂いた箇所の改良と歩道の整備が行なわれている。

今後とも、地域の方々とともに交通安全対策の向上に向けて改良・改修に取り組む。

(2)福田バイパス建設促進に向けた体制と早期事業化に向けた取り組み

回答

福田地区の交通環境の抜本的対策となる、(仮称)福田バイパスはこれまで「福田バイパス建設促進期成会」において、県に対して熱い要望を届けられており、長崎市においても県や県選出の国会議員などに対する働きかけを行って来ました。

しかし、県の見解はまだ具体的なルートなど定まっていない構想の段階であり、現段階で新規に事業化する事は財源などから難しい事で予算化はされていない。長崎市は、早期事業着手の実現を求めて経済団体・交通関係団体など全市的な組織として取り組むために「一般国道202号(福田バイパス)道路整備促進協議会」を8月26日に設立し、出来るだけ早い時期に長崎県への要望を行う予定にしている。

意 見
要 望

福田バイパス建設促進期成会は、福田地区自治会連合会など11団体の構成団体により、今日まで長崎県や長崎市などに陳情活動を行い、歩道の補修・整備のほかカーブ箇所の改良、歩道拡幅など改善してきたがまだ数箇所改善が必要な場所も残っている。

8月4日に開催された「福田地区の市長との地域懇談会」、8月20日に開催された「福田バイパス建設促進期成会」において地元の熱い思いが訴えられている。長崎市の幹線道路の整備は、平成22年度小ヶ倉蛍茶屋線(22年7月)、茂里町から幸町の浦上川線(22年11月)、田上から新戸町の長崎南環状線(23年2月)、伊王島香焼線の伊王島大橋(23年3月)に開通するなど、大型道路建設が完了し、交通渋滞も緩和され利便性の向上が図られています。

大型道路建設完了にあわせ、長崎市の努力によってさる8月26日「一般国道202号(福田バイパス)道路整備促進協議会」設立総会も開催され、大浜町と小江町をトンネルで短縮する「(仮称)福田バイパス早期事業化」などを国や県に求めていく事が決定されました。

今こそ、改めて構想路線から計画路線へ、調査費の予算化含め、地元の熱い思いを長崎県や国に対して要望活動を強化すべきと意見要望を行いました。

▼過去掲載分

▼委員会報告

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