平成19年6月議会 一般質問(要旨)
1.基幹産業・地場産業の振興と雇用確保について
(1)重点施策と将来を見据えた産業の振興
人口減少がもたらす環境の変化を見極めた、基幹産業・地場産業の重点施策と将来を見据えた産業の振興は?
産業振興策は、主に地場産業の育成、創業支援、企業誘致の3つの柱を基本にしている。
地場産業の育成は、基幹産業である造船・造機を中心とした中小製造業の競争力を強化するために技術の向上や生産工程の改善及び効率化を支援している。
いずれの施策においても、既存の事業を見直し、新しい生産工程、新しい業態、新しいマーケットの創造を支援し、第二創業や事業転換により、労働集約型産業から知識集約型産業への転換、高付加価値型企業への成長を期待するものです。
(2)雇用確保の中長期的見通し
労働力人口も減少するなかで、労働力確保の見通しは?
若年者の皆様が地元で働きたいと思えるような魅力ある雇用の場の創出を図るため、地場産業の振興、創業支援、企業誘致に努める。
また、高齢者への継続雇用、再就職支援、女性への仕事と家庭の両立支援などの就労支援に努めることが、労働力の確保につながり、今後とも長崎労働局、労働関係団体等と連携して取り組む。
(3)若年層の雇用確保と高齢者の活用
若年者の県外流出、団塊世代の大量退職に伴い、若年層の雇用確保と高齢者等の活用は?
ハローワーク長崎管内の高校卒業の県外就職率は39.4%であり、本市の産業を支える基盤の弱体化を危惧する。
平成19年度から市独自の事業として「若年者雇用・定着促進事業」を実施しており、企業と若年者双方の雇用にかかるニーズを把握し、雇用のミスマッチを解消し、地元企業での就労を促進している。
また、大学生等を対象とした合同企業面談会の開催や県内学卒求人確保キャンペーンなど地元企業への就職支援を行っています。高齢者対策は、継続雇用制度の導入を行う事業主等に対して助成金を支給するなどの支援、中高年齢者再就職支援事業、就職支援セミナーなどを行っており、このような国、県などの取り組みを事業主や高齢者の皆様に周知・啓発を行なうとともに関係機関と連携し、高年齢者への就労支援に取り組む。
(4)中小企業の活性化のための施策
団塊世代の大量退職が始まっているが、技術・技能の伝承は「ものづくり支援事業」での重要な課題である。
本年4月、「長崎地域造船造機技術研修センター」が開設され、事業主・研修生、関係者から高い評価を得ているが、次年度以降の事業継続と支援拡大等の考え方は?
本事業は、団塊世代の退職により急速に世代交代する局面を迎え、熟練者の持つ「匠」の技を円滑に次世代へ伝承するかが喫緊の課題であり、ものづくりを支える若年者の育成にも重要な事業と認識しており、企業や関係団体の皆様と事業の継続期間等について協議を行なう。
支援拡大は、センターの運営を継続しながら、フォローアップの観点から研修終了後の現場でのOJT研修の支援、経験を積んだ後の資格取得に質する高度なレベルの研修を支援することが、より重要であり製造業の活性化につながる支援を行なう。
(5)水産業の課題と振興策
水産業を取り巻く環境は、水産資源の減少、漁業生産者の高齢化や担い手不足等が重要な課題となっているが、どのような振興策を講じられているのか?
平成18年度から平成22年度までを計画期間とする「長崎市水産振興計画」を策定し、「地産地消を活かした水産業の新たな成長と発展をめざす」との基本理念のもと、1.地産地消の推進2.つくり育てる漁業の推進及び水産資源の持続的利用の促進3.魅力ある水産業づくり4.食生活を彩る長崎ブランドづくりを基本目標に取り組んでいる。
また、新規漁業就業者の確保を図るため、野母崎三和漁業協同組合と連携し、一本釣漁法や漁船操作などの技術研修や漁船確保の支援など実施し、平成15年度以降9人が新しい漁業者として誕生している。
2.行財政改革について
(1)市長の決意とやる気について
平成18年度包括外部監査の指摘を受けての対応と市長の将来を見据えた、行財政改革の決意とやる気について
指摘事項は、全体で137件あり既に対応済みのものが64件(47%)、対応可能なもの及び時間を要するものが47件(34%)となっており、すみやかに改善を図り是正に努める。
また、行財政改革は、不要不急の事業がないか、市民や企業との連携を図ることでより大きな成果が得られないか、仕事の仕組みや方法を変えることで予算をかけずにできないかなど、あらゆる角度から検証し、今の時代に対応した組織体制や事務事業へ見直しを図り、市民力と職員力を生かしながら地方分権時代に適応した都市経営を進める。
民間の企業は、厳しい経営環境のときは、人員縮小・削減など合理化とあらゆる打ち手を打ち、生き残りにすべてをかけ採算改善に取り組み、日々懸命に頑張っている。
まさに、財政が厳しいこのときこそ、市長は、徹底した行財政改革を行ない、職員は市長の方針を確実に理解し、「全員の職員力」を持って実行されることを切に願います。
また、強いリーダーシップで、スピードを持って、数値目標を達成し、市民が負担する税金の有効活用に努力されたい。
(2)長崎市の付属機関等について
今議会においても、市民会議などの予算を計上しているが、付属機関等設置の考え方は?
地方自治法及び個別法に基づき条例により設置される審査会、審議会その他諮問の執行機関の付属機関と市独自の要綱等に基づき任意に設置する懇話会等に分けられる。
計画立案の段階から、市民皆様の合意形成や相反する意見の調整、意向の集約を行い、行政の責任において内容を精査・集約し方針の決定を行い、市民参加による市政運営を進める。
(3)人員削減と健全な財政基盤の確立について
厳しい財政状況のこの時こそ、行政改革大綱の94項目に上る集中改革プランの実行と達成が急務といえます。
そこで、数値目標達成への取り組みと財政健全性の確保の観点から、主な項目の進捗状況と主な施策の取り組みは?
事業の合理化及び重点化と民間活力の有効活用は?
第4次行政改革大綱において、平成22年度までに600名の職員数の削減及び30億円の人件費の削減を重点目標として掲げ、計画的に取り組みを進めている。
目標実現のために、業務の民間委託など民間活力の有効活用、市民から理解を得られる給与・手当等の適正化、部・課・係の見直しなど組織体制の簡素化や職員の適正配置による定員の適正化を実施する。今後も、早期に実現できるものは、可能な限り前倒しで実施する。
給与、各種手当、特別休暇等、職員の勤務条件の適正化及び見直しは?
平成17年度の人事院勧告における、「給与構造の改革」に基づき、給与水準の引き下げ、年功的な給与上昇の抑制など国において給与制度の改正が行われ、長崎市も平成18年4月から国に準じて4.8%の給料の引き下げを行った。
国にない特別休暇の「初盆休暇」や「認定被爆者等の健康管理休暇」、「平和記念式典参列休暇」については廃止し、付与日数が国の制度を上回っていた「出産補助休暇」は、日数を削減し本年4月から実施しているが、まだ付与日数が国を上回る「暑期休暇」や「結婚休暇」など適正化に向けて取り組む。
付与日数が国を上回る「暑期休暇」や「結婚休暇」など取得状況と是正に向けた考え方は?
「暑期休暇」は、付与日数5日のうち平成17年度実績で平均4.4日となっており、「結婚休暇」は、付与日数7日のうち平成15年度実績で44人の職員が取得し、平均取得日数は6.4日となっている。
是正に向け、平成19年度には労働組合と協議を経た上で適正化を図る。
休息時間の取り扱いについては、こんにちまで議会のなかで論議され、早急な見直し検討が指摘されています。国は、平成18年7月から休息時間を廃止し、長崎県も平成19年4月から制度が廃止された。
12時から12時15分までと15時から15時15分まで、合計30分の休息時間については、給与が支払われているという実態にあります。休息時間の年間に支払う給与総額と検討状況について
厳しい財政状況の中、地方公務員法の均衝の原則などを考慮した場合、他都市における昼休みの状況を精査のうえ、平成19年度には労働組合と協議を経た上で適切に対処する。年間支払額は、単純計算で約12億円となる。
市民の感覚、民間の企業では考えられない。特別な勤務条件の実態がまだまだあると思われる。民間よりも良すぎるし、民間レベルまで改善が必要であり、早急に見直すべきと考えますので、精力的な努力を要請する。
3.道路・交通網の整備促進について
国道202号の拡幅整備について、中浦バス停から小浦バス停間での商業施設建設に伴う、交通渋滞の対策と小浦バス停付近から福田郵便局付近までの歩道の拡幅の考え方について
この区間沿線の民有地には、商業施設が建設中であり交通渋滞の発生も懸念されることから、歩道の拡幅整備と併せ、大浜方面からの右折車線が同時に整備される。
小浦バス停付近から福田郵便局付近までの歩道の拡幅は、地元や関係者の皆様並びに県との協議を行いながら、拡幅整備の可能性を探って行きます。
(仮称)福田バイパスのルート選定など県への働きかけについて
国道202号の安全対策を第一とした交通環境の改善を図るため、県に要望書の提出や市政問題協議会などにおいて、働きかけを行ったがルートの絞り込みなど具体的な検討まで至っていない。
福田地区自治会連合会や育友会などで組織する「福田バイパス建設促進期成会」とともに国道202号線の歩道拡幅を最優先とし、福田バイパスの事業化に向けて働きかけて行く。
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- 平成19年11月議会 建設水道委員会報告(要旨)
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