平成25年6月議会 一般質問(要旨)

平成25年6月議会 一般質問(要旨)

1.地場産業の振興と雇用確保について

(1)長崎県と連携した取り組みと課題

質 問

平成27年度目標値として企業立地件数7件、新規雇用者数105人など地場産業の振興・雇用確保に向けた諸施策が進められていますが、長崎県と連携した取り組みと課題は?

回 答

本市では、雇用を創出し確保する施策として「地場産業の振興」、新たに事業を起こす「創業への支援」、即効性の高い「企業誘致」の3つの柱を定め、県と連携しながら各種事業を推進している。

そのうち企業誘致では、長崎県産業振興財団へ職員2名を派遣し、平成23年4月ANAテレマート長崎支店の誘致が実現し、平成29年度には450名体制となる予定である。本年4月には、住友電装長崎ソフトセンターが事業を開始し、現在22名体制から平成27年度までに60名規模が予定されている。
特に、若者の県外流出防止策として、大学生や高校生向けの合同面談会、長崎市独自の施策として「学生地元就職促進事業」を実施し、地元企業を知る機会を得て自社PRの場としている。また、学生が一定期間企業のなかで研修生として働き就職体験を積むインターンシップ制度では、平成24年度に県内236企業で386人が研修を受け、長崎市役所でも56人を受入れた。
さらに、行政と企業が連携して設置された「ながさき若者就職応援団」では、未就職高校生ゼロを目指し、職場見学会を強化するなどの取り組みを進めている。

そのほかに、中小零細企業が単独では実施が困難な「造船造機新人研修」や「新卒就職者激励大会」などを関係機関とともに開催し、新入社員のやる気を高め、企業人としてスタートできるよう支援している。これらの事業は、若者の目を地元企業に向けさせ、地元企業への就職を促進し県外流出を防ぐとともに、若者の早期離職の防止に役立てている。

要 望

長崎県・長崎市においては、企業立地・新規雇用者の目標を設定し、意欲的に取り組みを進める事は評価する。しかし、アイデア・構想のみでは、成果があがらないと思う。

長崎県と長崎市の目標設定の考え方、事業を推進するためにどうしていくのか十分な連携が必要である。十分に協議がなされないままに目標設定がされていないのは理解出来ない。地場産業の振興と雇用確保に向けて、行政ができる、地場企業の支援・創業支援、県と連携した企業誘致、学生地元就職促進事業などを着実に行って、地域経済の活性化に繋げてもらいたい。

(2)実践型地域雇用創造事業」の具体的取り組み

質 問

雇用情勢が厳しいなかで「長崎の食と観光を生かした雇用創造」が国の「実践型地域雇用創造事業」に採択され事に伴う具体的取り組みや雇用創出の計画は?

回 答

実践型地域雇用創造事業は、事業実施後に求職者を就業させることと、企業にその雇用の場を創出させることを目的にしている。
長崎市と西彼時津、長与両町でつくる「長崎地域雇用創造協議会」では、2015年度までの3年間で463人の雇用創出を目指すとし、事業費は約2億3千万円で国から全額補助される内容のもの。事業の特徴は、これまでのセミナーの実施に加えて、協議会に実践支援員を雇用し、長崎の豊かな魚の資源を磨き上げて「魚のまち長崎」をPRする旅行商品の開発、魚を活用した特産品等の開発を行なう。

雇用目標は、事業者向けの「雇用拡大セミナー」で23人、求職者向けの「人材育成セミナー」で267人、求職者と企業をマッチングする合同企業面談会等の「就職促進メニュー」で162人、「雇用創出実践メニュー」では協議会が雇用する実践支援員を4人、3年間で延べ11人雇用する事を予定、セミナーを担当する事業推進員3人を協議会で直接雇用する。

要 望

「雇用創出実践メニュー」では、長崎地域雇用創造事業協議会で実践支援員を平成25年度より延べ11人の雇用が予定されていますが、各種事業のメニューは7月から始まるとの事であり、今後、1市2町が行なう各施策と連動させて、十分な事前準備を行ない、地場産業の振興と雇用確保に努めてほしい。

(3)各関係先との連携及び今後の取り組み

質 問

産学官連携による基幹製造業を中心とした競争力強化、かんぼこ売り上げ増強の取り組みは?

回 答

長崎都市経営戦略推進会議並びに長崎サミットでは、「みんなでつくろう元気な長崎」のスローガンのもと、「基幹製造業」、「観光」、「水産業」、「教育」の重要四分野を柱に、経済の振興に向けて産学官並びに金融機関が連携して取り組みを進めている。

水産業の振興は、若手事業者を中心に発足した長崎かんぼこ王国推進委員会が着実に成果をあげています。今年に入って本格的な販売が始まった「ちゃポリタン」は、長崎のちゃんぽん麺とかんぼこに、国内では長崎に最初に伝来したといわれるトマトをケチャップとして味付けに使い、長崎由来の三要素を組み合わせて商品化された、新たなご当地メニューです。

1年近くの研究開発を経て、今年3月に調理セットを販売したところ、月1万食の目標を大きく上回り、2ヶ月間で約10万食を売り上げており、幸先の良いスタートをきっています。

再質問

基幹製造業の振興に向け、今年2月15日に指定を受けた「ながさき海洋・環境産業拠点特区」の具体的検討状況は?

回 答

今後、省エネ船・高付加価値船の建造推進をはじめとする造船業を中心とした産業の振興とあわせて、地球温暖化対策、海洋環境の保全対策、海洋エネルギーの活用など特区制度を活用して、地域経済の活性化に繋げようとするもの。
「国と地方との協議」は、特区の指定を受ける前から県をはじめとする地元自治体と関係する造船各社等による協議や意見交換を行ない、現在、提案している「保税手続きの簡素化等による物流コストの削減」など、規制の特例措置等について国との協議を原則年2回実施し、5年間取り組みが進められる。

今後のスケジュールは、物流コスト削減等の規制緩和、税制優遇措置、補助金等を活用した金融上の支援等の税制措置、海洋・環境産業に従事する人材の育成・確保等の財政支援等、国と協議が行なわれる。

要 望

産学官で支援・サポート出来るものは、保税手続きの簡素化や保税地域における蔵置期間を2年から3年延長する物流コスト削減等の規制緩和、税制優遇措置、補助金などを活用した金融上の支援等の税制措置、海洋・環境産業に従事する人材の育成・確保等の財政支援等、国と地方の協議を行なって、規制の特例措置、税制・財政・金融上の支援措置、制度化を早急に取りまとめ、関係省庁に提出し、平成26年度概算要求のなかに反映してもらいたい。

2.行政運営について

(1)包括外部監査報告書を受けての対応

質 問

指定管理者制度の運用状況・検証における、17施設の審査で145件の意見と35件の指摘を受けているが、包括外部監査報告書を受けての検討状況及び今後の対応は?

回 答

報告書の概要は、平成23年度の「公の施設の指定管理者制度及びその運用状況について」、その運用が制度趣旨に沿って適法・適正になされているか、制度趣旨である経費の削減と市民サービスの向上がどれくらい図られたのかを検証している。

制度の検証では、指定管理者制度について、基本理念にあたる基本方針が策定されておらず「各課題が生じる根本的な原因の一つ」として「意見」が付き、基本方針の策定が求められている。個別施策の検証のなかで、指定管理者を公募せずに委託している非公募施設のうち、市市民生活プラザ(築町)と市障害者福祉センター(茂里町)について「公募すべき」とし、指定管理者のあり方や事業のあり方について早急に方針を確定することが望ましい。

市民総合プール(松山町)と長崎ペンギン水族館(宿町)についても「公募が望ましい」との「意見」が付いている。4施設については、平成25年度に指定管理者が更新されるため、今年度中に公募か非公募の結論を出す。
35件の指摘については、6月3日に都市経営執行会議を開催し、その概要を説明するとともに、直ちに是正措置を講じる事が困難なもの等について今後の方向性の検討を行い、現在31件が措置済みで、4件が未措置となっている。145件の意見については、6月中を目途に対応方針や方向性等を整理する。

要 望

今回、監査の対象とならなかった施設の所管課や関連部局においても、監査の対象となった施設と共通する課題も存在すると思われる。
関係各部局においては、協議内容の確認、修繕費の契約実態の把握、公の施設として規定に即した活用、基本協定の見直しなど、指摘・意見を踏まえてキチンと水平展開を行ない、適切な是正対応を要望した。

3.長崎市地域防災計画について

(1)長崎市地域防災計画の主な見直し及び取り組み

質 問

東日本大震災以降、国が見直しを行った防災基本計画や、県が見直しを行った、地域防災計画を踏まえて、長崎市地域防災計画の主な見直し及び取り組みは?

回 答

長崎市地域防災計画は、災害対策基本法の規定に基づき、災害から市民の生命、身体及び財産を保護するため、長崎市の地域に係る防災対策に関して必要な事項を定めている。
この計画の見直しは、社会情勢の変化に応じて常に実情に沿った計画にするため、毎年検討を加え必要あるときは修正しなければならないとされている。国や長崎県においては、東日本大震災後に地震・津波対策に関する大幅な見直しを行ない、長崎市も同様の見直しを行なった。

主なものは、高齢者や乳幼児に配慮した食料品目の増、及び避難所生活におけるプライバシー保護や女性に配慮した生活必需品の見直しを行ない、特に取り組みが薄かった地震や津波への啓発を図るため、避難場所や避難所の一覧表にそれぞれの標高を記載し、県内の活断層を震源とする想定地震の情報を新たに追記しました。

見直しに併せての取り組みは、標高が5m以下の避難所63箇所に海抜標示板を設置するとともに、津波や高潮における被害予測及び避難計画の策定等に利用して頂くため、標高ごとに色分けされた地図を長崎市ホームページ上に掲載した。

次に、自治体間の相互応援体制は、中核市において広域災害に対応するため協定の見直し、近隣都市の組み合わせに加え、離れた市を組み合わせた応援体制を整備しました。九州市長会では、大規模な災害発生時の初動や応急対応の支援体制の構築、九州新幹線西九州ルート沿線5市や福島市などと「災害時相互応援協定」を締結している。

併せて、地域防災の啓発については、自治会などに出向いての防災講和や市民リーダーの養成事業でも周知を図り、今後は、地域における防災活動に利用してもらうため、地域防災計画書を長崎市のホームページ上に掲載し、防災意識の啓発に繋げて行く。

4.世界遺産登録への取り組みについて

質 問

近代化産業遺産群に含まれる長崎市の端島(通称軍艦島)炭鉱、高島炭鉱の文化財指定、稼働中の資産を保護する仕組みの構築など登録に向けて、今後の取り組みは?

回 答

長崎県・長崎市、関係自治体は、2015年(平成27年)世界遺産登録に向け、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦書原案や遺産の保全管理計画の策定を終え国へ提出しました。

文化庁は、今夏の推薦決定を目指す4件のうち「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は文化財の管理計画が整い「推薦可能」と判断している。「九州・山口の近代化産業遺産群」は、8エリア28の構成資産で世界遺産登録を目指しており、「日本の近代化産業遺産群―九州・山口及び関連地域」に名称が変更され、4月23日に国(内閣府)に対し推薦書案が提出された。
長崎エリアには、端島(通称軍艦島)炭鉱、高島炭鉱、旧グラバー住宅及び三菱重工業長崎造船所が所有する5資産の計8資産があり、緩衝地帯の設定、稼働中の産業遺産の保全といった遺産登録に向け解決すべき課題が残っている。

「端島炭鉱等調査検討委員会」は、端島炭鉱は島の全域を、高島炭鉱は北渓井抗跡を国史跡にするのが適当であるとの方向性が出されたことから、現在文化庁と史跡指定に向けて協議している。三菱重工業長崎造船所が所有する向島第三ドック、史料館、ハンマーヘッド・クレーン及び占勝閣は、現在も企業の生産活動等に使用されている「稼働中の産業遺産」と呼ばれるものである。

文化財保護法による保護措置は、所有する企業の経営に与える制約が大きい事から、個別の状況に応じ景観法、港湾法などの法律や条例及び国、地方公共団体と所有者との協定に基づき柔軟な対応を行なうことが可能となりました。
これを受けて、稼働中の産業遺産の登録を所管する内閣官房、所有企業、長崎県とともにそれぞれの役割を示す協定の内容検討及び景観法に基づく景観重要建造物指定による保護を念頭に協議を行なっている。今後、残された課題解決に向け必要な作業を行なって行く。

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