議会報告

令和2年3月 市政一般質問要旨

1.市長の政治姿勢について

(1)基幹産業(造船・観光)への支援

質 問

基幹産業である造船業は、厳しい状況が続いているが、これまでの支援と今後の対応は?

回 答

造船業は、経済のグローバル化による国際競争の激化など、事業環境が大きく変化する中、大手造船所においては構造転換を図るなど時代の変化に対応されているが、パートナー企業である市内の中小企業も事業環境の変化へ対応していくことが求められている。

長崎市では、若手技能者に対する技術・伝承や中堅技能者を対象とした人材育成、優れもの認証制度による販路開拓と拡大、産学連携による新製品・新技術の開発、新事業展開や生産性向上を支援することにより、造船業を始めとするものづくり企業の事業環境変化に対応した競争力強化を支援している。

また、市内大手造船所が検討されているクルーズ船修繕事業への参入については、長崎市が事務局となり、国や県、経済団体などで構成する「長崎港におけるクルーズ船修繕事業の拠点化に関する関係機関連絡調整会議」を設置し、クルーズ船修繕事業への参入実現に向けた環境整備を進めている。

再質問

平成22年に佐世保市のハウステンボスは、閉園の経営危機に陥り従業員約1,000人の雇用損出をはじめ地域経済に大きなマイナスの影響をもたらす恐れがあった。佐世保市はHIS(エイチ・アイ・エス)とハウステンボスの固定資産税・都市計画税に見合う額を10年間交付する協定を結び、HISはその運営を引き受けました。その結果、ハウステンボスの運営は順調に回復し、当初の予定より早く4年半で再建の目途が立ったことから支援を終えています。その総額は当初約74億円を予定していましたが、結果的には約36億円の支援となっています。佐世保市は大きな政策的判断を行って、ハウステンボスの再生を成功させたと思いますが、長崎市も基幹産業の衰退に対しては、既存の制度にとらわれず、雇用の確保、経済波及効果が大きい基幹産業の持続可能な事業存続のため、大きな政策的判断(政治判断)で支援を行うべきと考えます。また、造船業の操業不足に伴い、大幅な売り上げ減、工場の建屋閉鎖・一時休止のパートナー企業もあるが、固定資産税の減免(もしくは交付金・補助金で支援できないのか)による支援も含めた考えは?

回 答

三菱重工株式会社は、その長い歴史の中で、これまでも幾度となく事業環境の変化に合わせて構造転換を行うなど、時代の変化に対応してきた。長崎市としても、経済界の動きと連携しながら、行政でなければできない役割を果たしていく必要があると考えています。今後とも、あらゆる事業者が様々な変化に対応できるよう、しっかりと支援を行い地域経済の活性化を図って行きます。

質問
観光業においては、日韓関係の悪化や、新型コロナウイルスによる感染拡大に伴い観光客が減少し、売上額も減少している。長崎市内の観光の現状をどのように把握し、観光消費の拡大・風評被害対策を含めた支援をどのように進めていくのか?
回答

観光業については、日韓関係の悪化により韓国観光客が全国に減少する中、長崎市も例外ではなく、総合観光案内所の韓国人利用者数で見ると前年比薬44%(▲5,501人)となっている。新型コロナウイルスの影響は、1月24日から2月9日に開催されたランタンフェスティバルの集客数は、前年比約40%減の約56万人にとどまっていることから、長崎市内の観光施設や宿泊施設をはじめとする観光業界にも影響が出ている。

観光面での取り組みは。国の新型コロナウイルス感染症の方針等を踏まえ、観光施設における防止対策を着実に推進し、その取り組み状況を発信するとともに、本年1月31日に供用開始した稲佐山公園のスロープカ―や2月21日に上陸を再開した軍艦島(端島)など、長崎観光の情報発信を引き続き行っていく。また、将来的な回復期に備えて、適切なタイミングで効果的な来訪客の誘致・情報発信を行うことが出来るよう、国や県、民間事業者と事前に協議を行いながら検討を進める。

意 見
要 望

現在、三菱重工長崎造船所香焼工場の売上高は、大きく落ち込んだとは言え、それでも数百億円規模の事業が展開され、長崎の地域経済に大きな影響を与えている。大島造船所への売却検討(発表)は、3月末までには方向性が出ると思いますが、造船事業の存続を考えると大きな期待を寄せる。長崎の経済状況を総合的に判断し、特例措置を含めた固定資産税相当額の減免も市長の政治判断によるもので、行政の支援を明確に示すことが、受入れ環境の整備の一つであると思う。

また、今年の長崎ランタンフェスティバルの集客数は、前年比約42万人減の約56万人(43%減)と発表され、「新型コロナウイルスに関連した肺炎の世界的な発生」などが影響し、観光関連業において大きな打撃を与えている。単純に、長崎市の観光客1人あたりの市内観光消費額平均21,216円(平成30年観光統計)で計算すればランタン42万人減で約89億円、日帰り客の1人あたりの観光消費額15,268円では約64億円となり、長崎市の経済にも大きな影響を与えている。

そこで、造船・観光業において前年度から大幅に売り上げがダウンする企業についても、固定資産税相当額の減免を含め、長崎県として対応できる支援、長崎市として対応できる支援について、関係先と協議を行い、経営体質の改善や造船技術を生かした新事業のサポートなど支援強化に努めてほしい。

(2)出島メッセ長崎の整備・誘致の取り組み

質 問

交流拠点施設の出島メッセ長崎は、令和3年11月に開業を目指し建設工事が進められているが、現在の整備状況は?また、1,000人~3,000人規模の大会は2年前から誘致活動をしないといけないと聞いていたが、株式会社ながさきMICE、長崎国際観光コンベンション協会いわゆる長崎市版DMOと長崎市の役割分担及び現在の誘致状況は?

回 答

出島メッセ長崎の整備は、令和元年8月に工事がスタート、令和2年4月から鉄骨工事に着手し、令和2年度末には出島メッセの形が見えてくる。令和3年8月には工事が完了し、11月に開業する予定。誘致の取り組みは、平成30年8月のMICE推進室設置以降、約1年半にわたりながさきMICE,DMO,長崎市の3者が連携し、密に情報共有を図りながらセールス活動やプロモーションを進めている。

3者の主な役割分担は、ながさきMICEは企画・運営専門会社の全国的なネットワークと経験を活かし、出島メッセ長崎で開催する案件の誘致を主体的に進めている。長崎市版DMOは、MICE開催都市としての長崎の魅力を発信するとともに、主催者に対して誘致から開催までを支援するワンストップ窓口の役割を担っている。長崎市は、主に政府系会議や国際会議の誘致を勧め、関係省庁への働きかけや情報収集、日本政府観光局ネットワークを活用した情報発信を行っている。

このような役割分担のもと、開業に向けて相互に連携・協力しながら誘致活動を行っている。これまでの誘致状況は、開催年の2年から3年前など早期に開催地を選定する1000人から3000人規模の大会・学界については、令和3年から令和6年に開催が決定・内定したものや日程調整中のものが30件程度ある。特に、開業直後の令和3年11月から12月中旬までの期間は、月曜・火曜を除いてはほぼ予約で埋まっている。公表可能なものは、地元経済界の協力により、全国スーパーマーケット協会全国大会、中小企業団体中央会全国大会、全国経済同友会セミナーなどが誘致に成功している。

引き続き、1000人から3000人規模の案件については、2年後の令和4年の春から秋に開催されるものに重点的に取り組むとともに、中小規模の会場やイベントの誘致についても、団体や企業等への営業活動を広げていく。出島メッセ長崎の開業まで2年を切ったが、来場者の目標値である延べ61万人の達成に向けて3者のみならず、経済界や大学とも連携を密にし、誘致活動やプロモーションを強化していく。

(3)長崎市新庁舎・市街地再開発事業の進捗状況

質 問

長崎市新庁舎の交通アクセスの考え方と完成後の姿は?

回 答

新庁舎の交通アクセスは、公共交通機関で来庁される方は、電停やバス停に近い市民会館側の正面玄関や、長崎警察署側の北側玄関からから主に出入りして頂く。自家用車で来庁される方は、敷地南側の道路を通って、建物地下の駐車場に車を止める計画としている。バス停がある市民会館側と長崎警察署側の道路には、路面バスの停車スペースを確保するとともに、長崎警察署側の道路にはタクシーの停車スペースを確保する。駐車場の出入り口が設置される南側の道路は、現在の市庁舎別館横を通って国道34号まで繋げることで、交通の円滑化を図る。

また、車寄せや身障者用の駐車スペースは、屋根付きの1階の正面玄関前と地下駐車場内に設置するので、雨に濡れずに建物にいることが出来る。次に完成後の姿は、新市庁舎では市民の皆さんが快適に手続きや相談ができる窓口や、バリアフリーに対応したトイレなど、ハード・ソフト両面から全国トップレベルの市役所へ進化させることも目的に「市役所進化プロジェクト」として取り組みを進めている。

質 問
市街地再開発事業(新大工町・浜町)の進捗状況と事業の実現に向けた容積率緩和制度の活用は?
 
回 答

新大工町地区は、平成30年2月に本組合が設立され、北街区と南街区に分けて工事が進められており、南街区が令和2年内、北街区は令和4年内の完成予定となっている。また、当事業では、高度利用地区と再開発地区計画という2つの都市計画法上の手法を用いて、指定容積率が400%から600%のところを一律700%まで緩和している。

浜町地区は、平成26年度に浜町アーケードに面する両側の街区全体で準備組合が設立され、平成27年度に事業の構想など盛り込んだ推進計画が作成された。平成30年度にこの推進計画書を現状に整合した「浜町地区まちづくり方針」へと見直し、事業の実現向けた取り組みが進められて来た。その結果、事業化への機運が高まった街区では、再開発ビルの構想立案や権利変換モデルの作成など進められている。長崎市としても引き続き、都市計画制度を活用した必要な容積率の緩和など、事業の実現に向けた支援を行っていく。

意 見
要 望
長崎駅周辺の再整備、出島メッセ長崎、長崎市新庁舎建設など市街地中心部の人は、建設工事の形が見えてくる頃は施設の必要性や効果など一定の理解をするものの、市街地以外の人には周知・理解が不足していると思う。一方、長崎市野母崎地区に建設される恐竜博物館はその逆が考えられる。特に大型事業の進捗状況は、賑わいのあるまちづくり、交通対策・アクセスの対応がまだ見えてきていないのが現状である。ホームページへの掲載・広報ながさき等を通じた、わかりやすい広報誌の発行、情報提供に努めてもらい、市民に利用・活用される施設となるよう市民・住民へのアピール、周知を要望する。

2.防災・減災の対応について

(1)災害協定の締結

質 問

災害発生時に備え、人的・物的支援を受けるため、長崎市はさまざまな災害協定を締結しているが、現状の協定締結の状況、拡大・充実を図るうえでの取り組みは?

回 答

近年、大雨や台風、地震などによる大規模災害が全国各地で発生し、、長期にわたって停電や断水が発生するなど、市民生活に大きな影響を与えている。市民生活への影響を減らすには、迅速な被災者支援や応急・復旧作業が欠かせない。長崎市では、発災時から復旧・復興に至るまでの過程において、迅速かつ的確に対応できるよう、他都市や民間事業者等と災害協定を締結し、協定実績は34件となっている。

災害協定については、近年発生した災害の状況や社会情勢の変化に沿った有用性、その災害協定のさまざまな視点を勘案して締結している。現在、提案を頂いている電気自動車の活用に関する協定は、移動式の非常用電源として活用でき、昨年発生した千葉の大規模停電で活用されていることからも有用であると考えており、締結に向けた検討を進めている。

意 見
要 望

災害時における食料等物資の供給協力に関する協定書など現在34件の協定書があるが、電気自動車の協定による電源確保、ドローンなど更に協定の充実を図り、災害発生時における被災者へ、緊急時の食料品・物資、生活必需品など確保し、被災者の身体的な負担軽減に努めてもらいたい。

また、ベッドや避難所の仕切りとして使える段ボールは、ニーズが高く避難者の健康維持やプライシー配慮の点で有効であることから、備蓄品の一つとして確保し、災害対応の強化に努めてほしい。

(2)拠点避難所・総合事務所の充実

質 問

災害対応を行うためには、避難所だけではなく現地対策本部となる総合事務所・公の施設にも非常用電源を備える必要があるが、現在の状況や今後の停電対策の考え方は?

回 答

長崎市は、位置的に台風進路の常襲地帯であり、これまでの甚大な災害を経験し、停電対策など改善を図ってきた。具体的には、指定避難所に照明用の電力を確保するため、携帯用発電機を活用するほか、リース会社や大手ホームセンターとの協定により、発電機を調達して対応する計画としている。

現在、準備を進めている拠点避難所には、非常用電源が未整備の施設へ令和2年度までに事務所程度の電力をまかなえる容量を備えた発電機を新たに購入し電力を確保する。中央、東、南、北の総合事務所には、自家用発電機又は可搬式の発電機を配備している。

太陽光発電や蓄電池を活用した電源確保は、現在策定を進めている長崎市国土強靭化地域計画において、導入の方向性を定めるよう調整し、施設全体の非常時の電源確保の在り方を整理したうえで、導入にて検討していきたい。

意 見
要 望

経済産業省は昨年11月、災害による停電時の非常用電源として企業や自治体が所有する電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車のバッテリーを活かし、車内のコンセントや専用の給電機器を通じて家電や医療機器、建物全体に送電できる給電方法を説明したマニュアルの作成や国の防災基本計画への反映などを盛り込んだ行動計画案を示している。

非常用電源の使用可能時間については、「72時間は、外部からの供給なしに非常用電源を移動可能とする措置が望ましい」とされていることから、いざという時のために、電気自動車(EV)と太陽光発電システム(PV)系統の電気を混ぜて使用できる、給電機器「SMART V2H」も民間で活用されている。

先ずは、総合事務所(東・南・北)や主な拠点避難所?電気自動車用充電設備が設置されている(琴海地域センター長浦事務所、三重地区市民センター、東部にこにこセンター、南総合事務所)太陽光発電が設置されている公の施設へ設置することを要望する

非常用電源確保のために、電気自動車(移動電源車)、発電機、蓄電池、流通備蓄品等、災害に係る協定締結の推進など、財源の伴うものについては、現在策定中の、長崎市国土強靭化地域計画の中に織り込むように改めて要請する。

また、拠点避難所を担当する職員の避難所要員も、より拠点に近い在住者に見直すよう要望する。

3.指定管理者制度について

(1)現状と課題

質 問

長崎市は指定管理者制度を導入しているが、必要に応じて見直しを行う必要がある。指定管理者の現状や課題は?

回 答

指定管理者の現状は、令和2年2月現在、151施設において指定管理者による管理を行い、そのうち95施設について公募により指定管理を選定している。指定管理者の導入により、例えば、市営住宅における夜間、休日の緊急対応のためのコールセンター設置や市営駐車場でのベビーカーの貸出など、市が直接管理運営を行っていた時と比べ、民間事業者が持つ柔軟なアイデアによる新たな取り組みによるサービスの向上策も見られる。

一方で課題は、指定管理者の選定において過度な価格競争にならないことや、いかに民間事業者からの投資を含めた重要な提案を受けるように出来るかなど、指摘を含めた内容があったので、これまで一定の見直しを行った。公の施設の運営状況は、より良いサービスにつなげる目的であるべきで、モニタリングの実施が十分ととはいえなかった。今後とも、指定管理者制度がより効果的に運用できるよう、随時見直しを図って行く。

意 見
要 望

11月議会において指定管理者の公募が不参加となり、一部見直しが行われ、再公募となった事案もあった。指定管理者とは異なりますが、温泉・宿泊施設「野母崎炭酸温泉アレガ軍艦島」の売却先が選定できず、売却先を再公募する。併せて、サウンディング型市場調査を行ったが、募集結果は4か所(旧椛島小学校、旧尾戸小学校、旧黒崎中学校、旧外海行政センター)とも売却又は貸付が不調となる結果になっている。指定管理者の選定における運営費の積算の在り方、過度な価格競争にならないよう、モニタリングの在り方も含め、今後とも問題・課題について再検証を願う。

2)利用料金制における対応

質 問

利用料金制における対応は、一定額以上の利用料金があった場合、その一部を市に納付するか利用者還元に充てられているが、現在の対応は?

回 答

施設の使用料等を直接指定管理者の収入とすることで、指定管理者のやる気を促し、指定管理者によるサービスの向上につなげることにより、施設の効用が高まるとの考えから、積極的に利用料金制の適用を進めている。

現在、指定管理者制度を導入している151施設のうち55施設において利用料金制を適用している。指定管理者のやる気につながる利用料金収入の増加を図るためには、利用者サービスを向上させ、施設利用者を増加させることが求められる。そのためには、安定的にサービスを提供できる人的体制が必要であり、充実したスタッフの雇用を可能にすることも重要な要素となる。

指定管理者の選定における価格点の評価にあたり、人件費水準の低下や施設管理費の削減など過度な価格競争に繋がらないような方法へ見直した。施設によっては、指定期間を長期にできるよう制度の見直しを行い、指定管理者が持つノウハウやアイデアを積極的に活用してもらう。

意 見
要 望

この利用料金制については、施設の使用料を指定管理者の収入とすることで、指定管理者の自律的な経営努力を発揮しやすくし、指定管理者のサービス向上等の努力によって利用者が増加し、施設の効用をより高めることが出来るものであり、効果的なものであると考える。

民間事業者のノウハウやアイデアを活用し、利用者のサービス向上につなげるためにも、民間事業者のモチベーション・やる気につながる取り組みを進めてほしい。

4.公園の管理・整備について

(1)長崎市総合運動公園

質 問

長崎市総合運動公園のランニングコースの凸凹や苔が生えて滑りやすい環境の改善、運動広場のソフトボール場にダッグアウトの増設やトイレの新設は?

回 答

長崎市総合運動公園(かきどまり)は、平成8年9月に供用開始してから23年経過し施設の老朽化が進んでいる。このため、指定管理者による日常的な維持管理の中で、必要な修繕を行うとともに、規模が大きな改修は長崎市において長寿命化計画を策定し、計画的な整備等に取り組んでいる。

ランニングコースの凸凹は、一部修繕等が必要な箇所は修繕を行い、残る箇所は令和2年度以降計画的に改善する。クロスカントリーコースの苔は、指定管理者において苔の除去を行い、今後、定期的に維持管理を実施する。ソフト場のダッグアウトは、令和2年度以降に整備を行う。トイレ新設は、運動広場周辺のトイレの利用実態に応じた需要を見極めながら、適正配置を含めて検討する。

意 見
要 望

これまで、競競技団体の協会関係者や市民からも運動広場の苦情・備品の充実、運動広場西側の埋立地の活用について多目的グランドにしてほしいとの要望を受けている。しかしながら、残土の関係もあり埋め立て完了時期は明確になっていないが、活用方策については早い段階に一定の方向性が示せるよう検討を要請する。

(2)自治会管理の公園

質問
自治会管理の公園における遊具の点検や整備・管理、除草作業を減らす対策(ゴムチップ舗装など)の考えは?
回 答

公園遊具の点検は、平成29年の都市公園法改正により、都市公園の維持修繕基準の規定が設けられ、遊具の定期点検が義務化されている。平成31年3月に遊具点検マニュアルを策定し、年1回以上遊具の点検を実施し、適切な維持管理に努めているが、使用禁止遊具は令和2年1月末現在20箇所ある。更新する場合は、再設置の必要性を含め検討を行うため、一定期間使用禁止とすることがある。

地元自治会管理の公園は、平成31年3月末現在816箇所のうち379箇所あり、草の生えない土など除草作業を軽減させる対策は、土や砂とセメントなどを混ぜて固める舗装を実施しているが、2・3年経過すると亀裂が生じ雑草が生えてくる。通常使用するクレイ舗装に比べ割高となる。ゴムチップ舗装は、遊具の足元などに設置しているが、高額となるため除草防止のために設置することは困難である。しかしながら、安価で長期間効果がある工法の研究・検証を行っていきたい。

意 見
要 望

現在、高齢化の進展に伴い、自治会で管理できない公園も出てきている状況の中で、適正管理・維持管理における経費が上がるものと判断する。

将来にわたる公園施設の再整備・適正配置、公園を維持・管理するための方策など、担当部での検討を要請する。

5.環境行政について

(1)旧西工場の跡地活用

質問

旧西工場焼却場の跡地活用は?

回答

旧西工場は、昭和54年に操業を開始し、約37年間稼働してきたが、平成28年10月の新西工場の供用開始に伴い施設を閉鎖した。平成29年度に、旧西工場の管理棟を環境センターの事務所として使用することが可能か、耐震診断を行い、その結果、耐震診断基準を満たしていることを確認した。平成30年度には、工場棟を解体し地下に埋設されている抗等を撤去した場合の、周辺の環境に及ぼす影響や解体に要する費用について確認した。

調査の結果を踏まえ、煙突を解体するとともに、管理棟は、現在、川口町にある中央環境センターの事務所とすること、工場棟は建物を残したまま内部機器を撤去し、ストックヤードやごみ収集車の車庫として、活用することとして準備している。今後の予定は、令和2年度当初予算に煙突解体及び管理棟の改修設計にかかる予算を計上しており、工事施行前の令和4年度には環境センターとしての運用を開始する。

再質問

川口町の中央環境センター跡地活用策は?

回答

中央環境センターは、令和4年度に旧西工場へ移転予定であるが、移転後の跡地活用方法は現時点未定である。跡地については、昨年策定した「市有財産(土地・建物)利活用のフロー」に基づき、間をおかず売却も含め、有 効な活用を図りたい。

意 見
要 望

市有財産の利活用については、未利用資産の有効活用をはかるため、民間事業者からの提案を募るサウンディング型市場調査が行われていますが、この中央環境センターは、川口町の一等地にあり、利活用できるのか?利活用できないのか?令和3年度までには方向性を示せるよう検討を加速してほしい。

(2)プラスチックごみの対応

質問

海洋プラスチックごみの回収と適切な処理は?

回答

プラスチックごみは、近年特にマイクロプラスチックの生態系に及ぼす影響が懸念されるなど、国際的な課題となっており、国においてはその解決に向け、企業、自治体、NPO等の取り組みを推奨する「プラスチック・スマート」キャンペーンが展開されている。

長崎市では、長崎港や三重地区の長崎漁港内に漂流しているごみは長崎県や民間事業者と、その他の漁港等は地元漁協の等の協力を頂きながら回収しているほか、海底のごみは形上湾や橘湾において、地元漁港が実施する除去活動を費用面から支援している。

プラスチックごみは、主に市民の日常映活を起点として、街などなどから川を通じて海域に流出している面もあることから、その実態や対策の必要性を周知・啓発することで、市民一人ひとりの削減に向けた具体的な行動に繋げる。国においては、プラスチックごみの適正処理を推進するための補助制度の拡充も検討しており、長崎市もその動向を見極めながら、今後とも漂流、漂着ごみや海底のごみ回収と適正処理に努めていく。

6.(仮称)長崎恐竜博物館について

質問
長崎恐竜博物館の運営面における教育活動や地域振興策の取り組みは?
回答

令和3年10月開館を予定している恐竜博物館は、国内で初めて発見されたティラノサウルス科大型種の化石など、他では見られない長崎市民の「恐竜」をテーマとし、石炭が出来た時代を経て、現代に至るまでの「はるかな過去の長崎」を探求する長崎市特有のストーリーを活かした特色ある博物館を目指している。

基本計画では、多様な体験型学習授業を実施するため化石発掘場所の活用や、世界遺産である軍艦島の景観や石炭生成の歴史を紹介するなどとした「地域資源を活かす博物館」を、次に、来訪者に対して野母崎地域の周遊への誘導や、地元と連携し地域の特産を活かした商品開発、イベント企画を行うなど「地域振興に寄与する博物館」を揚げている。恐竜博物館の運営は、教育活動と地域振興のいずれも重要な目的として取り組んで行く。
再質問
子ども達が何度でも訪れて学びを深めるような、体験メニューや学習プログラムの整備を行い小中学校で活用する考えは?
回答

この恐竜博物館の他に、子ども広場や駐車場など周辺施設の再整備を行うことで、野母崎田の子地区が安全で快適な市民の憩いの場となり、南部地域の振興に繋がると考えている。子ども達が恐竜に関心を持つ取り組みとして、小中学校の教育活動と関連した学習活動として、発掘体験やレプリカ作成体験など、体験メニューの整備を行うこととしている。

また、小中学校では、小学6年生と中学1年生の理科の授業で、地層のできかたを学習するなかで、化石に触れることとしている。社会科見学の一環として恐竜博物館を訪問し、映像・模型・標本等の資料を活用することについては今後検討していく。併せて、ワークショップなどの体験学習の充実、大型企画展の開催、学芸員が常駐するオープンラボの無料公開など、誰もが何度でも訪れたくなるような取り組みを進める。

意 見
要 望
開館前から来場して頂くための呼びかけ・働きかけ、PR活動を含めた周知が重要である。特に小中学校の修学旅行の呼び込み、子どもが何回も行きたくなるような企画、保護者・祖父母への呼びかけや、孫と一緒に行きたくなるような仕組みづくりも必要である。先ずは長崎市南部地域の小中学校生徒への働きかけ、その次は、時間的制約がある市内小中学校への交通費補助を含めた社会科見学をモデルケースとして始め、県内小中学校へは長崎県と連携(交通費の助成)を図りながら、修学旅行や社会科見学の働きかけを要望する。

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