平成25年9月18日
平成25年9月議会 全員協議会「代表質問(要旨)」
質 問「産業革命遺産」の課題解決に向けての取り組みや今後のスケジュールは?
回 答長崎エリアには、民間所有の4つの稼働資産及び軍艦島など4つの非稼働資産がある。稼働資産は、役割が終えた後の維持管理に係る役割分担が大きな課題で、今後、所有者・国・地元自治体で協議・調整を進める。
特に、軍艦島の保存管理の在り方は島全体を史跡として管理する方向が示され、多額の財政負担が必要であり、財源措置を含め国・長崎県と十分協議しながら検討を進める。
「産業革命遺産」の登録に向けた関係自治体との連携は?
回 答関係県市の首長を委員とする「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会を設置し、関係自治体の担当課長等で組織する幹事会等で共通課題の解決に関する協議を進めている。
構成資産が広範囲にわたる事から、どの資産が欠けても十分な価値証明が出来なくなる性質を持っており、関係自治体とは今まで通り連携して作業を進める。
「長崎の教会群」の登録に向けた取り組み状況は?
回 答これまで関係県市町と連携を図りながら、国や県選出の国会議員、官邸・総務省・文部科学省・文化庁への要望活動を行なった。
また、内閣官房の有識者会議の委員や日本イコモス国内委員等の専門家への働きかけを行ない、情報収集を図って来たが、結果として今回は「産業革命遺産」が選定された。
質 問
「教会群」の登録に向けた今後の取り組み方針は?
回 答世界に誇る高い価値を有し、将来にわたりその資産を継続的に守っていくことも重要な課題である。多くの来訪者の受入体制など、特に地域の皆様と今後一層連携を図り課題の解決に取り組む。今後とも世界遺産への推薦を目指して醸成してきた機運を持続しながら全力を尽くす。
再質問稼働資産の保全や軍艦島の史跡に関する多額の財政負担及び推進体制は?
回 答稼働資産の保全は、生産活動に利用されている間は所有者で維持管理されるが、稼働終了後は所有者・国・地元自治体が役割分担(経費負担)しながら維持管理する。
軍艦島(端島)は、炭鉱閉山から40年放置され劣化し、保存管理を行なうにあたり、多額の財政負担が必要となるので、文化財保護に関する補助やその他の補助制度、有利な起債などの活用を視野に入れ、国・県とも十分協議しながら検討を進める。
推進体制は、世界遺産推進室が中心となり、必要に応じて稼働資産の保全方策は景観部門、軍艦島の史跡指定は文化財部門など専門の部局として連携して作業を進めてきたが、タイトなスケジュールのなかで全庁的な協力体制を組みながら推進する。
多額の経費が必要となる軍艦島の保存管理が、今の財政状況でやれるのか?
回 答保存管理の方法によって財政負担に相当の幅があり、複数のパターンでの概算費用は、護岸と生産施設の整備のみで最も安い11億円から居住施設の復元整備までの最大144億円と試算されている。国や県にも応分の負担を求め、将来にわたり持続的に保存管理できるかという財政的な面も見極め保存管理方策を決定する。
要 望長崎の資産の価値が認められたことは意義があり誇りでもあります、2つの大切な資産の世界遺産登録に向けては、市民の皆さん、関係者の皆さんのご理解を得ながら、また、国や関係する自治体、長崎県ともしっかり連携を図り、平成27年に「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を、28年に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」への登録が実現するようしっかり取り組んでいただくことを強く要望する。