平成22年11月議会
平成22年11月議会 一般質問(要旨)
高齢者施策の事業効果と参加状況は?
回 答特定高齢者施策の「運動機能向上事業」は、17箇所で開催し参加者は168人、「認知機能向上事業」は13箇所で開催し参加者は87人となっている。一般高齢者施策の「運動指導事業」は、41箇所の公民館やふれあいセンター等で開催し平成22年度の登録者数は1,164人となっている。
事業効果は、平成21年度の特定高齢者1,882人のうち、介護保険に移行しないで健康を維持できている人は1,709人(90.8%)、介護保険に移行した人は121人(6.4%)、平成19年度と比較して半減しており事業効果が得られている。
今後も高齢者が健康を維持できるよう予防効果を高めていく。
要望
介護予防事業の状況は、平成18年から比較すると全ての事業で増加傾向にあり一定評価できます。
健康管理は自ら行うのが基本であり、高齢者の人でも健康維持のため継続して就労する人、趣味・特技を活かしたサークル活動等、外に出て動き回る人は自ら健康管理が出来ますが、仕事やサークル活動を辞めた途端に、心身とも機能が低下するケースも見受けられます。
従って、要支援・要介護になる前の予防と現状より悪化させない「運動指導事業」や年齢に応じた、生涯教育(生涯設計プラン)の研修・講座を適宜開催し、介護給付費の抑制効果を狙った取り組みの推進をお願いする。
質問地域包括支援センターの取り組み状況は?
回 答包括的支援事業として、地域の高齢者や家族の方を対象に介護や保健、医療、福祉に関する相談、要介護状態になる事を予防するために介護予防事業の紹介や参加を勧め、継続的に支援を行う事業等を地域において一体的に実施している。
介護予防の成果を高めるため、特定高齢者の把握に努め、相談等を通して介護予防に関する知識の普及・啓発を行い、住み慣れた地域で健康で自立した生活が送れるよう中核機関として役割が発揮できるよう努める。
新事業・新製品の取り組み状況と雇用創出状況は?
回 答長崎出島インキュベーター(D-FLAG)には、9月末現在で企業18社が入居している。入居時の雇用者数は36人、現時点で51人となっており15人が増加している。
新エネルギー・環境分野は「水質改善装置の開発」「太陽光発電システムの設置工法の開発」、医療・福祉分野は「メンタルヘルス健診事業」「心の健康関連商品の開発」、情報・電子分野は「認知症患者のリハビリテーション支援システムの開発」「LED・無線LAN事業の開発・研究」等が行なわれている。
事業化に向けては、市場性・コストなど課題を解決する必要があり、産学連携を強化し支援していく。
質 問市場開拓・販路拡大を支援する事業の効果は?
回 答販路開拓支援事業では、展示会・商談会への出展や新製品の提案書・パンフレットの作成にかかる経費の4分の3を助成している。
平成21年度は24件助成を行い、30%の企業で売り上げが増加傾向にある。本年度長崎市では、中小企業の優れた新商品を認定し販路開拓を支援する「トライアルオーダー認定制度」を創設し、6社6製品が認定された。
ものづくり情報発信支援事業では、ホームページの製作費用の5分の4を平成21年度は54社に助成し、50%の企業で売り上げが増加した。
今後とも、市場開拓・販路拡大において効果がある事業としてこの制度を周知し、利用していただき支援していく。
要望
企業経営は,自らの努力が基本でありますが、新事業・新製品の市場開拓・販路拡大を図ることは雇用を創出し、地域経済の活性化にも寄与出来ると思っています。いずれの事業においても販売実績は増加しており、効果が得られています。来年度もこの事業を継続し、制度を広く周知され更なる支援をお願いします。
そのためは、県内・市内、行政での活用促進を図ること、そしてその新製品を県外・海外にどのようにして販売していくのかが大きな課題であり、長崎県と連携しての広報紙による県民・市民への周知、雑誌・マスコミ等へのアピール、発信力のあるトップセールス(知事・市長、長崎出身の有名人・企業の社長・重役)含めて市場開拓・販路拡大の支援を要請する。
福田バイパス建設促進期成会等の地元陳情を受けての対応は?
回 答来春長崎南環状線の開通により、福田地区の自動車交通量はさらに増加が予想される。国道202号の安全対策として、バスベイの設置や危険箇所の部分拡幅、一部区間の歩道の整備など改善に向けて引き続き対応していく。
県は、現段階で新規に事業化することは財源面などから難しいとの見解である。本年は、長崎県との今後の道路整備に関する協議の場で、福田バイパスについて今後の重点事業として要望を行った。今後とも、市政問題協議会などの場を通じて働きかけを行っていく。
総点検パトロールにおいて、危険個所が指摘されているがその対応は?
回 答平成20年4月に交通安全総点検を実施、国道・市道あわせて19箇所の指摘事項があった。そのうち、カーブミラーの調整、道路の白線の引きなおし、舗装の改修等既に13箇所改善済みである。今年度改善予定1箇所、検討中2箇所、現状困難なもの3箇所となっている。
特に危険な場所の中浦バス停付近・小浦町と福田本町の町境部分のカーブ地点は一部用地の提供があり整備が行なわれた。しかし、マリナシティ・ファミリーマート前付近の歩道整備は、一部用地の協力が得られず整備に至っていない。
道路管理者の長崎県は、用地等の協力が得られた部分から順次改善を図っている状況にある。
要望
本区間を通学路としている児童や沿線地区住民は大型トラックの増加で交通安全に対する恐怖感、騒音・振動など生活環境も悪化していますので、土地所有者の理解を求め、粘り強い交渉で危険区域の改善を、継続的に県に働き掛けてもらいたい。
また、(仮称)福田バイパスの早期事業化については、地元自治会、小中学校育友会、子供を守るネットワーク等福田地区住民の大きな課題であります。政府は、原則自由に使える「一括交付金」に移行する方針を示している。
例えばこの交付金を活用して、県・市の予算投入等なんとしてでも、(仮称)福田バイパスの早期着工に向け、あらゆる協議会等を通じ調査費の計上を長崎県や国に対しての働き掛けをお願いする。
「水の浦地区」「岩瀬道・立神地区」の進捗状況と今後の計画は?
回 答水の浦地区は、ホテル清風付近から水の浦公園付近につながる生活道路のうち、新設区間459mにおいて用地買収・建物買収除去を行い、事業費ベースの進捗率は17%となっており、早期に道路改良工事に着手できるよう地権者と協議を行っている。
立神・岩瀬道地区は、三菱重工業長崎造船所本館ビル付近から東立神町に至る生活道路400mにおいて、事業費ベースの進捗率は21%となっており、今年度から道路改良工事に着手し年次計画により整備を進める。今後とも、まちづくり協議会との連携で権利関係者に対するきめ細かな対応に努め、早期完成に向けて取り組む。
地域住民の期待は大きく、道路を一本通すことにより、居住環境を改善し利便性の向上、防災性の向上や沿線の住宅の建て替え促進等、緊急道路(生活道路)の整備に向けて今後とも注力されたい。
建築基準法に伴う行政指導による取り組みは?
回 答建築物は、本来その所有者が適正な維持管理に努めなければならないが、老朽化により倒壊などの危険性が増し、周辺住民に不安を与えるケースがある。
市では、建築基準法に基づき、所有者などに対して口頭や文書などにより、除去や改修等の適正な維持管理の指導を行っている。その結果、平成18年度は49件、平成19年度は45件、平成20年度は32件、平成21年度は15件の除去や改修がなされている。
しかし、所有者の経済的問題や権利問題、所有者が不明などの理由で放置された老朽危険空き家も存在している。その対策として、平成18年度から地域の安全性向上に向け、新たに老朽危険空き家対策事業を創設し、積極的に取り組みを進めている。
質 問老朽危険空き家対策事業の実績と不採択案件の主な理由は?
回 答この事業で除去した危険空き家は、平成18年度は6件、平成19年度は7件、平成20年度は8件、平成21年度は7件であり、4年間の合計で208件の申し込みのうち28件を除去、平成22年度は5月末を期限として募集したところ66件の申し込みがあった。
不採択の理由は、対象区域外にあるもの、所有者から寄附の承諾が得られないもの、抵当権等の設定がなされているため、長崎市として引き取りができないもの等である。
この事業は、5年間を事業期間として始めた事業であるが地域住民の評価が高い事等から、平成23年度から平成26年度までの社会資本整備総合交付金の対象事業に見込まれることから事業を継続する。