令和元年年9月
令和元年9月議会 一般質問(要旨)
公共施設マネジメントの取り組みについて、計画策定は進んでいるが、進捗状況は遅れているのではないか?短期的にも数値的な削減目標を立て進めるべきではないか?
回 答公共施設マネジメントは、将来にわたり長崎市が暮らしやすいまちであり続けられるよう、次世代に大きな負担を残すことなく継承できる、持続可能な公共施設へと見直すために取り組んでいる。平成27(2015年)年2月に策定した「長崎市公共施設の用途別適正化方針」における2044年までの削減目標である約25%の床面積の削減は、2018年時点で2.3%となっている。
現在、学校施設は、子ども達の教育環境の改善を最優先とし、地域との対話を踏まえながら適正配置を進めている。施設の見直しは、市民との対話を踏まえながら進めており、施設の削減面積等について短期的な数値目標設定は難しい。しかし、施設保有量の適正化に向け、将来の市民ニーズ、社会環境の変化等を十分に検証し、今後とも保有面積の総量抑制に努める。再質問
平成27年のコストシュミレーションでは、平成27年度から30年間の公共施設の建て替え、改修等に係る費用は約870億円が不足、床面積に概算すると約25%の建て替え・改修費に相当するとしている。
現在までの床面積(総量抑制)の削減は、25%に対し2.3%の実績との回答があったが、公共施設の年間コストの推移は?
(ビッグN 13,481㎡)
回 答平成27年度からの公共施設の年間コストの推移は(行政財産と一部の普通財産合計)は、決算べースで平成27年度約100億3千万円、平成8年度約99億円、平成29年度約98億3千万円となっている。直近の平成29年度と平成27年度を比較すると、約1億9千万円の減となっている。
今後とも、施設保有量の総量抑制と合わせ、施設維持管理費の適正化に努める。
意 見公共施設の施設維持費・事業運営費の年間コストは、平成29年度と27年度の比較で、約1億9千万円の削減、率にして約1.9%となっている。コスト削減の確認をするため、長崎市ホームページの「公共施設の年間コスト」へアクセスした。しかし、平成27年度の実績には、アクセス出来ず、平成29年度実績を見れば、41項目の小分類のみのコストは記載されていたが、年間コストの総括・概要等の取り纏めも記載されておらず、削減効果は分からなかった。素晴らしき資料は取り纏められていたが、誰がアクセスしても削減効果・成果がわかる広報に努めるよう指摘をしておく。
また、施設の削減面積等については、短期的な数値目標は難しいとの答弁があった。床面積削減は30年間で25%減らす、ビッグNグランドに換算すると約136個分、これを単純に1年間で1%削減するとしても約4.5個分に相当する。4年間の実績が2.5%約3個分しか削減できていない。何か目標を設定しなければ前に進むものも進まない、これからは、是非成果を出してほしい。施設の統廃合は総論賛成、各論反対となるケースが多くなるが、これまでの地域への説明と対話活動を進めながら、取り組みが遅いと指摘されるのではなく、スピード感を持って取り組みを進めてほしい。
有休資産は早期に売却すべきと考えるが、現在までの売却状況は?
回 答平成26年度から平成30年度における市有財産の売却は、随意契約で191件、面積約10万7,000㎡、金額で約37億2,000万円、一般競争入札では24件、面積約6,000㎡、金額で約1億5,000万円となっており、合計すれば215件、面積約11万3,000㎡、金額で約38億7,000万円となっている。
売却実績の主なものは、旧成人病センター跡を5億5,000万円で、旧波の平小学校跡地の一部を1億3,640万円で、旧やすらぎ伊王島を4億3,600万円で売却している。低未利用資産を保有し続けることは、売却における収入が確保できないことに加え、固定資産税等の税収の機会を損失することになり、保有資産の活用・売却・留保等の方針を明確にしていきたい。
再質問平成26年度から平成30年度(5年間)までの市有財産の売却は、随意契約と一般競争入札における物件で合計215件、面積で約11万3,000㎡、これはビッグNグランド13,481㎡に対し約8個分をこえるもので、合計約38億7,000万円が売却されている。
自主財源確保の視点から一定の成果があると思うが、貸し付けている資産についても早期に売却し、一層の自主財源確保を図るべきと思うが、今後の対応策は?
回 答平成30年度の貸付状況は、約770件、貸付金額は約1億4,000万円となっている。私有財産の売却は、一般競争入札を実施する場合は市ホームページの掲載や、現地に売却予定地の看板設置、宅地建物取引業者に土地の売買の仲介を依頼、売買契約の締結事務などの補助を行う売却支援業務委託など有効活用を進めていく。再質問
6月議会の総務委員会において、低・未利用資産の有効活用について、「サウンディング型市場調査」を行う予算審査を行った。
その際、建物ありの物件は17件との説明があり、その内4物件を応募するとしていたが、現地見学会の状況及び今後のサウンディング調査の考え方と未利用資産の現状は?
回 答7月31日に募集要項を公表し、10月29日まで活用の事業者の募集を行っている。現地見学会を8月26日に実施し、市内外より3社の参加があった。未利用資産の現状は、事業の見直しなどに伴い様と廃止した資産のうち、建物が現存しているものが20件程度ある。サウンディング調査の結果を踏まえ、一般競争入札で売却するものやサウンディング調査の対象とするなど、資産を仕分けする判断基準を作っていく。意 見
要 望
低・未利用資産の有効活用については、答弁でもあったように保有資産の活用・売却、留保等の方針や時期を定め明確にすること、資産を仕分けする判断基準を早期につくること、民間の力を借りて売買契約をすることを要請する。
400周年記念事業の主な取り組み事業は?
回 答長崎港は、ポルトガル貿易船が入ってきた元亀2年(1571年)に開港、鎖国時、日本で唯一の海外への玄関口として海外の産業・文化の受け入れに重要な役割を果たし、その後明治時代には上海航路などの連絡船が寄港する貿易港として発展してきた。長崎港は、令和3年4月27日(2021年)に開港450周年を迎えることになるが、港とともに歩んできた長崎の歴史と魅力を発信するため、記念事業の実施を予定している。
また、長崎の海洋フィールドにある基幹産業である造船に加え、海洋構造物などの製造業をはじめ、流通・水産・観光・レジャーなどの技術・資源を活かし、広い海洋利用の視点に立った新たな関連産業の育成・創出に向けた契機とし、新しい港の活かし方や海の楽しみ方の創造につなげるため、さる8月22日官民一体となった「長崎開港450周年記念事業実行委員会」を設立した。
約半世紀前に開催した長崎開港400周年記念事業の際は、今回と同様に、長崎県、長崎市、長崎商工会議所を中心に実行委員会を組織し、記念式典や祝賀パレード、長崎港に関する各種展覧会、記念誌の発行などを実施し、市民、県民をあげて開港記念をお祝いした。当時の総事業費は、約4,000万円で、財源としては、長崎県及び長崎市がそれぞれ1,500万円を負担し、残りの1,000万円を協賛金で賄った。質 問
国内におけるこの種イベントの取り組み状況は?
回 答他都市では、神戸市において2017年1月から12月までの1年間、新潟市においては2018年7月から2019年12月までの1年半を事業期間とし、開港150周年記念事業を開催しており、祈念式典やシンポジウム、帆船フェスティバルなどの実行委員会主催事業や海フェスタ、歴史ウォークなどその他の団体等との連携事業などに取り組まれている。今年度の事業計画は、ワーキンググループにおいて、「長崎港魅力発信・イベント関係」と、「港を活かした地域活性化関係」について具体的な検討に着手する。
意 見実行委員会の構成は、幹事会17名程度、ワーキンググループ22名程度で2部会設置を示されているが、事務局は長崎市企画財政部都市経営室が担い、長崎県と及び長崎商工会議所と連携して対応するとしているが、事務局体制については関係部局の担当者も加わって、行政の知識・経験を結集して事務局会議となるよう要請する。また、県の役割としては、例えば、冠が付くであろう「長崎帆船まつり」における豪華ヨットの招致における係船料の減免や県有地使用時の減免、「長崎ペーロン選手権大会」、「ながさきみなとまつり」の負担金・協賛金等の財源確保など働きかけてほしい。
構成団体の名簿を見れば、まだまだ声掛けを行う企業もあると思う。450周年に向けた県民・市民とともに盛り上げていくためにも、一つでも多くの企業や団体に働きかけてほしい。
松が枝国際観光船埠頭2バース化への取り組みは?
回 答松が枝国際観光船埠頭2バース化については、平成23年度の「長崎港長期構想」の策定段階から関係する地元や企業等には周知を行っており、平成26年7月国の交通政策審議会での承認後から、港湾管理者である長崎県により事業への協力が必要となる地権者に対して、計画の概要等の説明を行っている。平成29年度から県と合同で取り組んでいる2バース化により、整備される岸壁背後地の整備構想の策定の中においても、県と市が協力して、地権者や関係者の皆様に現状説明や、今後の土地利用に対する意向調査などを行い、背後地整備への理解を深めてきた。
長崎市は、これまで県をはじめ関係団体と連携し、その早期事業化に向け、国などに対し要望活動を続けてきた。その成果として、今年度の国土交通省予算に2バース化に向けた事業化検証調査費が計上された。今年度は、事業着手の地元の機運を高め、国に対して強力に事業着手を働きかけていくため、7月に経済界や関係団体と「長崎松が枝国際観光船埠頭整備促進期成会」を組織し、8月には国等に対して要望活動を行った。
松が枝国際観光船埠頭の2バース化は、将来の長崎市にとって大変重要な事業であるので、事業の円滑な推進を図るため、地権者や関係者の皆様へ事業化に向けた動きなどについて情報提供や説明に努め、事業に対する理解と協力を求めていく。
意 見平成28年2月29日一般質問において、2バース化に向けた整備計画の中で、地権者、整備区域の民間企業及び港湾関係者等への対話活動を要請していたが、平成30年11月以降(平成29年度)に地権者や関係者に2バース化の現状説明や、今後の土地利用に対する意向調査が行われている。その内、関係自治会長への説明はされているが、地元住民に対する説明会はされていないのではないかと思う。指摘をしてから2年半の間、何ら動きがなかったのは残念である。まちづくりの計画については、長崎市が担うことであり、2バース化に向けて、今後は地権者や関係者の協力が必要不可欠であり、事業化に向けた動きなどについての情報提供や、説明をしっかり対応して頂くことを強く求める。
次に2バース化に向けた課題は、先輩・同僚議員の質問において国から①出島・松ケ枝岸壁の有効活用を図ること既存施設の有効活用(ダブル寄港)、②港内航行の安全確保等が求められていた。港内航行の安全確保については、話し合いが纏まったと聞いているが、既存施設の有効活用について、県はクルーズ船増加対策として、水辺の森公園出島岸壁にクルーズ船停泊回数を増やす方針を示している。200隻を超える寄港を断ったことを踏まえて、現状の取り組みはどのようにされているのか?
出島岸壁には、7万トン級のクルーズ船が係留できるようになったが、ここ数年の寄港実績を調べてみると、平成27年は4回、平成28年は8回、平成29年は9回、平成30年は8回、令和元年は9回の寄港が予定されている。
出島岸壁に係留できない課題(出入国検査、船内検査、ターミナルが遠い等)を検証し改善を図り、地域経済の活性化、消費拡大に繋げてほしいことを要望しておく。
小ヶ倉柳埠頭の整備計画の進捗状況は?
回 答小ヶ倉柳埠頭は、県内唯一の外貨公共埠頭として、コンテナ貨物をはじめ産業機械や鋼材を取り扱っており、国際定期コンテナ航路として韓国釜山を結ぶ航路が週2便運航する物流の拠点として重要な役割を担っている。しかし、施設築造後40年以上経過し、施設全体の老朽化が進行していることや、コンテナヤードが不足していたため、施設の老朽対策と埠頭用地等の拡張を図るため、平成19年度から港湾管理者である県において、約4.9haの埋め立て工事に着手し、今年度中に完成予定となっている。 また、荷役機械の老朽化も進んでおり、旧来のタイヤマウント式クレーンに代わり、ガントリークレーンが設置され、コンテナの荷役作業の時間短縮や荷扱いの安定性の向上が図られた。併せて、国において、大規模地震時でも物流の停滞を防ぐための耐震岸壁の整備も進められ、今年度完成予定となっている。
長崎市としても小ヶ倉埠頭の重要性は認識しており、1日も早い供用開始を働きかけていく。
意 見現在、長崎市の基幹産業である造船業を取り巻く環境が厳しい中で、今後、取扱貨物量が大きく減少することが想定される。平成11年7月2日から韓国釜山港と国際コンテナ航路が開設され、平成25年6月29日から週3便が運行されていたが、まえぶれもなく本年8月22日の便から週2便となっている。
柳埠頭の整備は、本年度完成予定とのことであるが、物流ヤードの機能充実が図られるなかにあって、「これからという時に」、貨物取扱量が大幅に減少している。ここ数年は厳しい状況が懸念されるが、投資対効果を最大限に引き出すためにも、長崎県知事・長崎市長によるトップセールスをお願いすると共に、行政の支援としてはコンテナ利用促進のための奨励制度の拡充、輸入コンテナの助成制度の創設、一定の輸出が見込まれる木材の重量計測器、コンテナ洗浄機等、関係団体から要望があっている設備の充実を図り、長崎地域経済の落ち込みに歯止めをかける対応策を実施されるよう要望する。
大浜町から福田本町までの区間、長崎県が現道改良工事を進めているが、工事の進捗状況と完了の見通し、バスベイが設置されていない未整備箇所の対応は?
回 答
福田地区の幹線道路である一般国道202号は、道路幅員が狭く、大型車の離合がしにくい区間や歩道が十分確保されていない区間、さらにバスベイが設置されていない箇所が残され、交通環境の改善が喫緊の課題となっている。こん日まで一般国道202号(福田バイパス)道路整備促進協議会を中心に、県や国などの関係機関に対し、現道改良の整備促進を働き掛けている。現道の改良策は、これまでに歩道整備が約740m、バスベイ整備が11箇所完了している。
現在は、小浦舟津公園前交差点から福田郵便局前交差点の約770mの歩道整備が進められ、この区間における平成30年度末の進捗率は事業費ベースで約68%、用地取得率は約91%となっており、令和4年度の工事完成を目指して整備が進められている。
また、中浦バス停のバスベイ整備は、昨年の9月議会で質問を頂いた後、県では土地所有者の方に対し、地元の要望を伝えるとともにバスベイ整備のための協力の要請がなされた。今後とも、バスベイの整備を含む国道202号の整備に取り組み、市としても「一般国道202号(福田バイパス)道路整備促進協議会」を中心に、県や国などの関係機関に対し、整備促進の働きかけを行っていく。 再質問
一般国道202号の整備促進並びに(仮称)福田バイパスの早期事業化については、本年2月に開催した福田バイパス建設促進期成会総会や、3回目の署名活動の署名簿を長崎県土木部などに提出するとともに、さる8月21日には、市長を会長とする4協議会のメンバーが長崎市選挙区の県議の皆様との意見交換、長崎県及び長崎県議会議長に対し要望活動を行った。
その際、改めて交通量の調査を要望し、県土木部長より交通量調査を行いたいとの答弁を頂きましたので、時期や調査内容等については?
回 答交通量の実態調査は、今年度、長崎県において既に業務委託され、業者が決定した後、秋ごろから調査に入る。今回の調査は3回目で、平成24年度に実施されており、前回の結果と比較するために同様の内容で実施される。意 見
要 望
現在、福田地区においては、10年後のあるべき姿について話し合いを進め、福田小学校区コミュニティ連絡協議会結成総会を9月30日に開催することにしています。その中においても、交通分野において「大型トラックが増加しているのでバイパスで迂回させる必要がある」「歩道が狭く雨の日は傘もさせない状況にあるので歩道の拡幅を願う」、県の見解は整備に多額の費用がかかるとし「費用対効果」の面や、バイパスの利用交通量も少ないとの予測がされており、長期的課題であると示されていますが、「人命を守る」「危険要因を改善する」、交通車輌事故、自然災害時における代替輸送路の機能を果たす役割としても、バイパス整備は必要不可欠であるとの意見が出されている。
この大浜町から福田本町の区間は、交通事故が頻繁に発生している。稲佐警察署の調査によれば、飽の浦トンネル西口から福田車庫前バス停前の間、平成23年46件、平成24年36件、平成25年67件、平成26年68件、平成27年51件、平成28年61件、平成29年57件、平成30年44件の事故が発生し(5年平均約56件)危険地域となっている。先ずは、地域で出来る交通事故の減少や、危険要因を少しでも減らすために、コミュニティ協議会の交通環境改善事業として、安全運転を喚起するための啓発用横断幕及びのぼりを作成することにしている。
長崎市におかれましても、事故発生件数を踏まえての対応策など、今後とも長崎県・国に対して、一般国道202号の整備促進並びに交通環境改善の抜本的対策となる(仮称)福田バイパスの早期事業化の道路予算の確保、調査費の計上に向けた、取り組みをお願いしておく。