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平成24年11月20日

11月議会 一般質問(要旨)

1.斜面密集市街地の対応について

(1)地震時等に著しく危険な密集市街地の対応

質 問

指定を受けてからの避難経路の確保(緊急道路)、避難場所・避難場所となる空き地の確認、建物の不燃化・耐震化、危険な密集市街地の周知方法などの対応は?

回 答

「地震時等に著しく危険な密集市街地」の指定を受けての対応は、防災意識の向上に向けて国土交通省からの公表があった、大浦・十善寺地域(68.5ha)、立山地域(67.3ha)、稲佐・朝日・水の浦地域(86.6ha)、江平地域(39.6ha)の4地区(262ha)の図面及び地区内に含まれる町名を公表した。
4地区に限らず、住環境の改善と防災性の向上が必要と考え、斜面市街地再生事業等による道路の整備と併せ、老朽危険空き家対策事業、木造戸建て住宅の耐震補助事業など総合的な住環境の改善と防災性の向上に取り組んでいる。

今後、避難経路の確保(緊急道路)、避難場所・避難場所となる空き地の確認、建物の不燃化・耐震化、危険な密集市街地等の対策を、長崎県・庁内の関係部署と連携をとりながら対応に努めて行く。

意 見
指 摘

「地震時等に著しく危険な密集市街地」の指定を受けての対応は、ホームページを活用しての公表のみであり、指定を受けての県や関係部署との協議、避難経路の確保状況、避難場所・避難場所となる空き地の確認、建物の不燃化・耐震化の確認等はされていない。

危機意識・防災意識、危険予知等考えれば、何らかの対応を関係先と連携をとり対処すべきである。また、4地区住民に対して危険な密集市街地の周知をすべきである。

再質問

自主防災組織の状況、指定区域での防災訓練の実施状況や防災マップの作成状況は?この地域で特に行っているものは?

回 答

自主防災組織の状況は、斜面市街地だけ見ると平均で約43%。防災訓練等の実施状況は、過去、立山地区や江平地区などで実施しており、本年3月には大浦小学校校区において地元自治会・消防団などが参加して、炊き出し訓練や避難訓練を実施している。

防災マップは、斜面密集市街地を含めた全小学校区を対象に進めている。指定区域への対応は、自力避難が困難な方を安全に避難するための「移動用補助用具」を区域内の避難所などに配置する予定である。

再質問

消火栓や防火水槽などの設置状況・充足率、4地区に対する初期消火用具の設置状況は?

回 答

長崎市の消防水利状況は、消火栓4,101栓、防火水槽1,463基、プール等その他の水利168箇所、総数5,732となっている。そのうち当該区域には、消火栓315栓、防火水槽50基を設置しており、水利関係の充足率は各地区100%である。
軽量で使いやすい初期消火用具は、平成24年4月1日現在320箇所、当該区域には35箇所設置している。

要 望

現在、緊急車両の通行スペースの確保、防災性の向上など生活道路の整備など8地区において「斜面市街地再生事業」や老朽危険空き家対策事業、危険な空き家住宅の除去に有する経費も一部助成、耐震化工事などに最大130万円の補助があるが、住宅不燃化には補助がない。

今後、不燃化・共同化への助成、規制誘導など「地域住民の意見を聞き」、国や県に対して新たな支援制度や助成などを働きかけ、対象地区の危険要因を取り除いてもらいたい。

(2)まちづくり協議会との連携

質 問

「まちづくり協議会(10地区)の自主的取り組みへの行政のサポート及び国土交通省のモデル事業をまちづくりにどう活かしていくのか?

回 答

まちづくり協議会発足時、啓発活動、計画づくり等にかかる補助金の助成を行い、自主的活動をサポートしている。また、協議会の総会や理事会に出席し、長崎市が施行する事業の進捗状況の説明や意見交換を行っている。
国の支援事業は、南大浦地区において相生町付近の共同建替え計画、水の浦地区において斜面市街地再生事業で施行する道路に接続する枝道を整備して、沿道の家屋を建替えて分譲することにより居住環境の改善と地区への住民の呼び戻しを図る計画を行っている。

策定された計画に基づく事業は、原則的にまちづくり協議会が独自に資金を調達して実施するものです。

要 望

斜面市街地再生事業における地域との連携、現場の発想やコミュニケーションをとって頂きたい。

また、南大浦地区の共同建替え、水の浦地区の高部モデル街区建設計画に、行政が積極的に関わりを持って技術的なアドバイスやノウハウの提供など力を合わせて、将来の街づくりに活かしてもらいたい。

2.長崎サミットとの連携について

(1)重点項目の取り組み及び今後の課題

質 問

長崎サミットをはじめ「長崎都市経営戦略推進プロジェクト」においては、地元経済4団体を中心に、長崎大学、長崎県、長崎市含め産学官が一体となって地域経済の振興に取り組まれているが、重点項目の取り組み及び今後の課題は?

回 答

長崎サミットをはじめ「長崎都市経営戦略推進プロジェクト」は、外貨の獲得による地域経済の振興を目指して、産学官が連携して活動を進めている。
年2回7団体のトップが一同に会し、経済振興における課題や取り組みの推進に意見交換をしている。取り組みにあたっては、基幹製造業、観光、水産業、大学の4分野を柱に進めている。基幹製造業は、客船受注を契機とした競争力強化に取り組み現在人材育成事業を開始している。

今後、予想される貨物や宿舎の確保等の課題にも取り組んでいる。観光は、おもてなし強化等の取り組み、外国人向けの観光案内板の設置やフェイスブックによる情報発信を進めている。

次に、水産業は、水産練り製品のブランド化を進め、長崎かんぼこ王国推進委員会を中心に、新メニューや商品開発にも取り組み情報発信を高め、出荷額の増大に努めている。大学は、文部科学省の「留学生交流拠点整備事業」に「長崎・留学生支援センター・コンソーシステム」が選定されました。

今後、長崎留学生支援センター開設へ向けた支援に取り組む。2020年の「世界に、日本に誇る国際都市長崎」の実現のため、ともに力を出し合い地域経済の更なる振興に取り組んでいく。

(2)総合特区指定に向けた取り組み

質 問

総合特区指定に向けた取り組み概要と申請後の状況は?

回 答

「総合特区制度は、国際戦略総合特区と地域活性化総合特区があり、今回「ながさき海洋・環境産業拠点特区」として、地域活性化総合特区の指定申請を行なった。柱となるのは、高付加価値船・省エネ船の建造促進、バラスト水浄化への対応など環境配慮型技術の船舶への活用、造船関連技術の海洋分野での活用が挙げられる。

柱を支える取り組みは、高速船によるシームレス物流の実現、造船で培われた技術と海洋県としての地理的特性を活かした海洋エネルギーの実用化に向けた取り組みを進めることを目指している。これにより、産業の振興と環境保全・省エネ及びエネルギー供給という経済社会課題の解決にも貢献し、地域経済の活性化に繋げていく。現在、国際戦略総合特区に7地区、地域活性化総合特区に32地区が指定されている。

12月17日に第3次のヒヤリングが行なわれ、指定が決まるのは来年の1月末となっている。

意 見
要 望

本プロジェクトの推進体制は、長崎独自のもので他自治体からも注目を集めている。7団体による関係先への要望(要旨)活動は、活発に行われ成果を上げている。

現在、上海航路の運休・韓国からの観光船の乗客は減少しているが地方レベルの交流、友好都市としての連携強化で交流人口の復活を願うものです。
総合特区申請は、長崎県・長崎市・事業者等との連携不足、事前調整不足等、バタバタを感じましたので今後関係先と十分連携をとって、海洋・環境産業の拠点形成による地域活性化に繋ぐためにも、総合特区指定に向けて全力で取り組んでもらいたい。

再質問

客船建造支援体制について、技術者育成、交通渋滞緩和対策、物流ストックヤード、宿舎の確保等、長崎県・長崎市の支援体制、平成25年度に向けての取り組みは?

回 答

技術者養成は、長崎県と連携をとり引き続き取り組んでいく。物流支援は、長崎港小ヶ倉柳地区で県が管理する倉庫について、客船貨物の利用が出来ないか物流業界との調整を行っている。

海洋エネルギー産業の振興策として、総合特区申請の取り組みのなかで「海洋エネルギー実証フィールドの整備(誘致)」を盛り込んでおり、県では8月の補正予算で調査経費を予算化している。宿舎・駐輪場は、長崎県や長崎市の活用が可能な公有地や公有施設について協議をしている。

意 見
要 望

技術者養成は、地場企業として人材確保面から重要であり、中・長期的視点から継続してもらいたい。
長崎県・長崎市の支援については、平成25年度に向けての関連予算を確保され、地場製造業の競争力強化に繋げてもらいたい。

3.協働のまちづくりについて

(1)地域コミュニティの取り組みと目指すべき方向

質 問

地域の繋がりを維持するため、行政の仕組みづくりや財政支援など、地域コミュニティの取り組みと目指すべき方向は?

回 答

少子高齢化の進行や一人暮らし世帯の増加などにより、人の繋がりが薄くなっている。長崎市では、地域の力を強くするため新しいしくみづくりを検討している。
今年度から「地域コミュニティ推進室」を設置し、地域の様々な団体が情報を共有し協力して活動するきっかけとなるよう、「主要な団体が一堂に集まる場づくり」を推進するとともに、地域の団体の連携による地域活性化や課題解決の取り組みに対して、補助金を交付する事業を実施している。
この取り組みは、それぞれの地域の成り立ち、地理的条件など個々の事情を踏まえ、地域の自主性、主体性を尊重しながら進めて行く必要があり、どういう支援が必要なのか地域の皆さんと考えて行きたい。

今後は、「自分たちのまちは自分たちでよくする」というしくみが地域の中に出来ている状態を目指し、新たな地域コミュニティのあり方や、財政支援など行政の関わり方について検討を加え、地域コミュニティの活性化に向けた取り組みを進める。

再質問

各地方自治体においては、新しい公共のまちづくり、共生のまちづくり、協働のまちづくりなど諸々の取り組みが行なわれているが、新しい公共の在り方について市長の見解は?

回 答

市民のニーズも多様化し、その対応にも行政として限界にきている。「あれもこれも」から「これかあれか」の時代に来ている。行政が担ってきた領域や、行政ではできなかった領域を市民や企業と一緒に行動に移していかなければならない。市民活動団体、公共等が公的な財やサービスの提供に関わっていき、新しい価値の創造に発展していくという考え方が「新しい公共」と思う。
「自分のまちは自分で創る」という意識を持ち、つながり合う社会を目指して取り組んでいく。 意見・要望:行政のサービス事業もあれもこれもの時代ではなく、どの自治体も転換期に来ている。
例えば、市道の草刈りや樹木の選定、側溝の溝掃除等市の予算で全部やる時代ではない、地域で出来る事業もある。これまで行政が100万円でやっていたものを、諸団体等に50万円でやってもらう仕組みを考える必要がある。
そのために、NPOやボランティア団体、市民活動団体や自治会、中間支援団体等の活用を検討してもらい、地域の活性化を図ってほしい。

4.国道202号の整備状況と(仮称)福田バイパスの早期事業化について

質 問

一般国道202号の危険個所の進捗状況及び総点検パトロール指摘箇所等の対応状況は?

回 答

一般国道202号(大浜町から福田本町間)危険個所の整備状況は、大浜町の大迫バス停と大浜バス停間の曲線部は現在計画が見直されている。
福田郵便局前交差点は歩道に設置されている電柱等により歩行者空間が狭くなっていることから、今年度より交差点改良と併せて歩道整備が計画されている。福田バス停から福田車庫前バス停間は安全対策として減速を促すための路面表示を設置する予定です。

今後の本格的な整備は、小浦舟津公園前交差点から福田郵便局前交差点間の約670mについて、交通安全対策事業として歩道整備が計画され、11月には測量調査に関する地元説明会が行なわれた。

質 問

(仮称)福田バイパスの取り組み状況は?

回 答

(仮称)福田バイパスは、長崎市、市議会、経済団体のほか地元の福田バイパス建設促進期成会で構成する「一般国道202号(福田バイパス)道路整備促進協議会」を昨年設立し、今年度は8月に長崎県へ「早期事業化について」、10月に九州地方整備局、11月に国土交通省へ「道路予算の確保について」要望を行なった。
県の見解は、多額の費用が必要であるため現時点では具体的な計画や整備手法も決まっていない。新規事業化に向けては、事業の必要性や優先度、費用対効果などが課題である。

このため今年度は、一般国道202号の福田地区の通過する交通量の調査が実施され、観測データ―が取りまとめられている。今後の進め方など県と十分協議して行きたい。

要 望

一般国道202号における危険な箇所は、長崎県において、12月補正予算が計上され歩道整備などが行なわれると聞いている。この事は、関係者の努力の賜物と評価をします。
しかしながら、一般国道202号の大浜町から福田本町間の交通量は、平成17年度女神大橋開通前は12時間の交通量調査で9,479台、平成23年2月13日の交通量の台数は約1万3,300台と年々交通量は増加している。交通事故発生件数は、平成23年58件、うち歩行者が関係する事故件数5件、平成24年11月10日現在では、事故件数34件、うち歩行者が関係する事故件数4件発生し、危険要因も増している状況です。

今後とも、道路予算の確保、調査費の計上を含め(仮称)福田バイパスの早期事業化に向けて、継続した要望活動を要請しました。

4.自主財源の確保策について

質 問

未収金縮減のための取り組み及び対策は?

回 答

未収金対策は、庁内に横断的組織として未収金対策強化会議を設置し取り組んでいる。具体的には、市税、国民健康保険税、保育料、後期高齢者医療保険料及び介護保険料の徴収事務の一元化、長崎県地方税回収機構への参加を行っている。
滞納繰越分については、無財産や生活困窮など徴収が困難であるものを見極め、差押えを強化しながら未収金の圧縮を推進している。収納方法充実のため、通帳や印鑑がなくてもキャッシュカードだけで口座振替の申し込みが出来る仕組みの導入を検討している。
また、債権管理は、中核市のうち半数近くの市で債権管理条例が制定されており、法的措置を含め実施して行くためのマニュアルの整備行なっており、強制執行等、法的措置を含めた対応や損害金などの徴収並びに徴収困難な債権の放棄などを定めた条例を検討している。

平成23年度末の未収金は、企業会計分を除き、98億2,555万円となっており、前年度に比べ6億9,562万円の減となっている。

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